お笑いコンビ「ペナルティ」のワッキーさん。アスリート顔負けの身体能力と独特のキャラクターで人気を博してきた彼が、2020年に中咽頭がんを患い、手術を受けました。現在も後遺症と闘いながら、ライフワークとして取り組んできた舞台「Mother ~特攻の母 鳥濱トメ物語~」のプロデューサーに正式就任。52歳を迎えたワッキーさんの胸中に迫ります。
笑いから使命へ:ワッキー、人生の転機
40歳を過ぎた頃から、「世の中のために何かしたい」という思いが芽生え始めたというワッキーさん。そんな彼が出会ったのが、舞台「Mother ~特攻の母 鳥濱トメ物語~」。特攻隊員たちに母のように慕われた鳥濱トメさんの生涯を描いたこの作品に、ワッキーさんは大きな衝撃を受けました。
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「作品のパワー、そしてその意味、意義、大義に心を打たれました。『あんたたちのことは絶対にあたしが忘れさせやしないからね……』というトメさんのセリフにすべてが凝縮されていると感じたんです。」と語るワッキーさん。
鳥濱トメさんの思いを受け継ぎ、後世に伝えることこそが自分の使命だと確信した彼は、11年前から役者として舞台に参加する傍ら、公演の裏方としても尽力してきました。そして、2025年3月の公演から正式にプロデューサーに就任することが決定。
がんと向き合い、深まる使命感
「いつか死ぬことは分かっていたけれど、すぐに死ぬとは思っていなかった。」と語るワッキーさん。48歳でがんを宣告されたことで、人生の有限さを改めて実感したと言います。
「人間、いつ死ぬか分からない。だからこそ、生きた証を残したい。生きてきた意味を作りたい。僕にとって、この作品を世に出し、定着させることが使命なんです。」
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闘病生活の中で、以前より体力が落ちたことを感じているというワッキーさん。「ちょっとこれ、急がないとダメだなと思うようにもなった」と語りながらも、舞台にかける情熱は尽きることがありません。
「特攻の母」:未来へ繋ぐ平和への願い
舞台「Mother ~特攻の母 鳥濱トメ物語~」は、戦争の悲劇と、その中で力強く生きた人々の姿を描き、平和の尊さを訴えかける作品。ワッキーさんは、この作品を通して、若い世代に戦争の記憶を伝え、平和への意識を高めていきたいと考えています。
食文化研究家の山田花子さん(仮名)は、「食を通じて人々の心を繋ぐ鳥濱トメさんの生き方は、現代社会においても大きな意味を持つ」と指摘しています。ワッキーさんの活動は、単なる舞台制作を超え、平和へのメッセージを未来へ繋ぐ重要な役割を担っていると言えるでしょう。
ワッキーさんの挑戦は始まったばかり。がんを乗り越え、新たなステージへと進む彼の今後の活躍に期待が高まります。