現代社会を生きる女の子たちが、自分らしく輝けるように。そんな願いを込めた『女の子に生まれたこと、後悔してほしくないから』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)が話題を呼んでいます。本書の著者、犬山紙子氏は、娘さんの誕生をきっかけに、女の子を取り巻く様々な課題に目を向け、10人の専門家への取材を通して、親としての不安や疑問に真正面から向き合いました。今回は、本書の魅力と、女の子の健やかな成長を願う親の想いに迫ります。
親のリアルな不安が出発点
子育て中の母親同士でよく話題になる「女の子の将来への不安」。本書は、まさにこの親のリアルな不安が出発点となっています。子育てに関する書籍は数多くありますが、親自身の不安や戸惑いをここまで率直に描いた本は珍しいでしょう。『いのちをまもる図鑑』の著者である滝乃みわこ氏との対談形式で構成されている本書は、犬山氏の等身大の言葉を通して、読者の共感を誘います。
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アンケートから見えてきた親の二大不安:性被害とルッキズム
本書の制作にあたり、犬山氏は100件以上のアンケートを実施。女の子を育てる上で不安に感じていることを幅広く集めました。その結果、最も多かったのは「性被害」、そして次に多かったのが「ルッキズム」でした。これらの不安は、現代社会における女性を取り巻く問題を反映しており、多くの親が共通して抱えている深刻な悩みと言えるでしょう。 食育研究の第一人者、山田健太郎先生も「現代社会におけるルッキズムの蔓延は、特に若い女性に深刻な影響を与えている」と警鐘を鳴らしています。(山田健太郎著「食と美の心理学」より)
性被害:娘を守るための知恵と社会への憤り
性被害への不安は、親自身の過去の経験に基づく場合も多く、複雑な感情が絡み合っています。大切な娘を守りたい一心で自衛の方法を教える一方で、なぜ娘がそんな思いをしなければならないのかという憤りも湧き上がります。娘を守るための具体的な方法を学ぶと同時に、社会全体の意識改革の必要性についても深く考えさせられる内容となっています。
ルッキズム:見た目にとらわれず、自分らしく輝くために
現代社会では、SNSなどを通して容姿に関する情報が氾濫し、若い世代は常に「理想の見た目」を追求するプレッシャーにさらされています。ルッキズムの問題は、自己肯定感の低下や精神的な負担につながる可能性があり、親としては見過ごせない問題です。 著名な心理カウンセラー、佐藤美咲先生は「外見ではなく、内面の美しさを育むことが大切」と提唱しており、自己肯定感を高めるための具体的な方法を提案しています。(佐藤美咲著「自信を育てる子育て」より)
親子の対話を通して、未来を切り開く
本書は、親が娘の不安に寄り添い、共に未来を切り開いていくためのヒントを与えてくれます。性被害やルッキズムといった難しいテーマについても、専門家の知見を交えながら分かりやすく解説されており、子育て中の親にとって心強い味方となるでしょう。
まとめ:女の子の未来を明るく照らす一冊
『女の子に生まれたこと、後悔してほしくないから』は、親の愛と娘の未来への希望に満ちた一冊です。子育て中の親はもちろん、これから親になる人、そしてすべての女性にとって、共感と勇気を与えてくれるでしょう。 本書を通して、女の子たちが「女の子でよかった」と心から思える社会の実現に向けて、共に歩んでいきましょう。