地震大国である日本では、いつ大きな地震に見舞われるかわかりません。2024年の能登半島地震を教訓に、改めて防災意識を高め、最新の防災知識を身につける必要性を感じている方も多いのではないでしょうか。本記事では、危機管理の専門家である国崎信江氏へのインタビューを基に、今アップデートすべき地震対策のポイント、特に「机の下に隠れる」という従来の常識について再考します。
机の下に隠れるのはNG?状況を見極める重要性
従来の常識を覆す新事実
「地震が来たら机の下に隠れろ」。長年、学校や家庭で教えられてきたこの鉄則。しかし、近年の研究では、必ずしも安全とは言えないケースがあることが明らかになっています。防災科学技術研究所の実験映像では、震度6強の揺れで固定されていない机が激しく動き、転倒する様子が確認されています。机の下に隠れることで、かえって机に頭をぶつけたり、倒れてきた家具の下敷きになるリスクも高まります。
机の下にもぐる子供のイラスト
机の下に隠れるべきケースとは?
では、どのような場合に机の下に隠れるべきなのでしょうか?国崎氏によると、建物の耐震性が高く、かつ机がしっかりと固定されている場合に限っては、机の下に隠れることで落下物から身を守る効果が期待できるといいます。しかし、一般家庭では机を固定しているケースは少なく、安全性を保証することは難しいのが現状です。
建物の耐震性をチェック!耐震基準とメンテナンスの重要性
自宅の耐震性を確認する方法
国崎氏は、1981年6月1日以前に建築された建物は耐震性が不十分である可能性が高いと指摘しています。また、2000年6月にも耐震基準は改訂されているため、建築年だけでなく、定期的なメンテナンス状況も確認することが重要です。新耐震基準を満たしていない家は、自治体に申請することで無料の耐震診断を受けられる場合があります。耐震改修工事の補助制度がある自治体もあるので、積極的に活用しましょう。
耐震診断で安心を確保
自費で耐震診断を受ける場合は、費用は20~30万円程度とされています。一見高額に思えるかもしれませんが、家族の安全を守るための投資と考えれば決して高くはありません。専門家による診断を受けることで、自宅の耐震性を正確に把握し、必要な対策を講じることができます。
地震発生時の適切な行動とは?状況に応じた判断が生死を分ける
建物の耐震性が低い場合は屋外へ避難
国崎氏は、建物の耐震性が低いとわかっている場合は、机の下に隠れるよりも、できるだけ早く屋外へ避難する方が生存率を高めると述べています。地震発生時は、周囲の状況を冷静に判断し、適切な行動をとることが重要です。
正しい防災知識で命を守る
地震はいつどこで起こるかわかりません。日頃から防災意識を高め、最新の防災知識を身につけることで、いざという時に冷静に行動できるよう備えましょう。
まとめ:日頃の備えが大切
地震への備えは、日頃からの心がけが重要です。自宅の耐震性を確認し、家具の固定などできることから対策を始めましょう。また、家族で避難経路や連絡方法を確認しておくことも大切です。この記事が、皆様の防災対策を見直すきっかけになれば幸いです。