2024年:ネット選挙元年、ソーシャルメディアが政治を動かす時代に突入?

2024年の選挙戦は、従来の常識を覆すような出来事が相次ぎ、まさに「ネット選挙元年」と呼ぶにふさわしい年となりました。ソーシャルメディアが選挙結果に大きな影響を与え、今後の政治のあり方さえも変えてしまう可能性を秘めていると言えるでしょう。東京都知事選での石丸伸二氏の躍進、国民民主党の若者からの支持、兵庫県知事選での斎藤元彦氏の再選劇など、インターネットの影響力は無視できない存在となっています。2025年に控える参院選や都議選に向けて、この流れはさらに加速していくのでしょうか?JX通信社代表取締役の米重克洋氏の見解を交えながら、ソーシャルメディアと選挙の未来を探ります。

ソーシャルメディアが選挙に与えたインパクト

2013年のインターネット選挙解禁以降、ソーシャルメディアは特定の政策への支持を集めるなど、ニッチな票を獲得するためのツールとして活用されてきました。しかし、2024年は状況が一変しました。全体の2割、3割もの票がソーシャルメディアの影響を受けて動くという、かつてない規模の影響力が確認されたのです。

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この劇的な変化の背景には、メディア消費の大きな変化、いわゆる「メディアシフト」があります。総務省のデータによると、2021年には全世帯平均でインターネットの利用時間がテレビの利用時間を超え、その差は年々拡大しています。2023年のデータでは、50代以下の世代ではすでにネットの利用時間がテレビを上回っており、特に若い世代ほどネットの影響を強く受けていることが明らかです。

一方、選挙の投票率を見ると、40代後半から70代が高く、ネット利用時間の長い層と投票率の高い層が重なり始めているのです。この世代のネット利用が活発化することで、ソーシャルメディアが選挙結果に与える影響力はますます大きくなると予想されます。

テレビからネットへ:時代の変化を読み解く

長年、選挙戦においてはテレビが主要な情報源であり、影響力も絶大でした。しかし、インターネット、特にソーシャルメディアの普及により、情報収集の手段が多様化しています。若者を中心にテレビ離れが進み、ネットでの情報収集が主流になりつつある今、政治家も有権者へのアプローチ方法を再考する必要があるでしょう。

政治コミュニケーション戦略コンサルタントの加藤誠氏(仮名)は、「これからの選挙は、いかに効果的にソーシャルメディアを活用できるかが勝敗を分ける鍵となる」と指摘しています。動画配信、SNSを通じた直接対話、オンラインイベントなど、ネットならではの双方向コミュニケーションが求められる時代になってきています。

今後の選挙の展望:ソーシャルメディアとの共存

2024年の選挙は、ソーシャルメディアが選挙戦に与える影響力の大きさを改めて示す結果となりました。今後の選挙においては、候補者たちはソーシャルメディア戦略を重視し、有権者との積極的な対話や情報発信に取り組むことが不可欠となるでしょう。

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一方で、フェイクニュースや誹謗中傷といった負の側面への対策も重要です。健全な民主主義を守るためには、正確な情報に基づいた判断ができるよう、メディアリテラシーの向上も必要不可欠です。ソーシャルメディアと政治の新たな関係性を模索しながら、より良い未来を目指していくことが求められています。