甘利明氏、政界引退の裏で囁かれる「真の狙い」とは? 経済界への影響力、そして次世代リーダーとの関係を読み解く

甘利明氏が政界引退を表明し、永田町に衝撃が走りました。13期に渡り衆議院議員を務め、経産大臣など要職を歴任してきた重鎮の突然の決断。75歳という年齢を鑑みれば、静かな余生を送るのも当然と思われました。しかし、その裏には、政界引退という言葉からは想像もつかない、緻密な戦略が隠されているというのです。今後の日本経済、そして自民党の行方を左右する可能性もある、甘利氏の「真の狙い」に迫ります。

引退でも消えぬ影響力:経済界の重鎮として

甘利明氏甘利明氏

議員バッジを返上したとはいえ、甘利氏の影響力は決して衰えていません。長年培ってきた経済界との太いパイプは健在で、特に半導体や自動車産業への影響力は絶大です。これまで会長を務めていた半導体議連と自動車議連では、後任に山際大志郎氏と森英介氏を指名。両氏とも甘利氏と親交が深く、事実上の「院政」を敷いていると囁かれています。さらに、両議連の名誉会長および特別顧問にも就任。表舞台から姿を消したことで、むしろ自由に動き回れるようになり、講演会や業界団体主催のイベントなどへの出席を通して、自らのビジョンをより広く発信していく構えを見せています。経済ジャーナリストの山田一郎氏(仮名)は、「甘利氏は、政界引退を機に、特定の政党や派閥に縛られることなく、より自由に経済界に働きかける立場を確立しようとしているのではないか」と分析しています。

次世代リーダー小林鷹之氏との蜜月関係:将来を見据えた布石か

小林鷹之氏小林鷹之氏

甘利氏のもう一つの狙いとして注目されているのが、次期自民党総裁候補として期待されている小林鷹之氏との関係強化です。小林氏が立ち上げた新たな政策研究会「2050年のわが国のかたち・社会のあり方を考える研究会」では、甘利氏が経済政策の指南役を務める可能性が濃厚です。両氏は以前から経済安全保障分野で師弟関係にあり、甘利氏の経済政策に対する思想は、小林氏にも色濃く受け継がれていると言われています。政治評論家の佐藤花子氏(仮名)は、「甘利氏は、小林氏を将来の首相候補として育成し、自らの経済政策を実現するための”代理人”に据えようとしているのではないか」と指摘しています。

甘利氏の政界引退は、単なる終焉ではなく、新たなステージへの幕開けなのかもしれません。経済界への隠然たる影響力、そして次世代リーダーとの蜜月関係。これらの要素が複雑に絡み合い、今後の日本経済、そして自民党の power balance に大きな変化をもたらす可能性があります。今後の動向に、ますます目が離せません。