近年、ラーメン業界は厳しい状況にあると言われていますが、そんな中でも関西発祥の「どうとんぼり神座」は全国展開を進める人気チェーン店。その魅力はどこにあるのでしょうか?今回は、神座の看板メニュー「おいしいラーメン」を中心に、その人気の秘密を紐解いていきます。
神座の看板メニュー「おいしいラーメン」とは?
創業以来、門外不出の秘伝スープとタレを守り続けている神座。その看板メニュー「おいしいラーメン」は、白菜などの野菜がたっぷり入った醤油ベースのあっさりスープが特徴です。創業者は洋食出身ということもあり、従来のラーメン店のイメージを覆すような、洗練された味わいが魅力。30年以上前に道頓堀の1号店を訪れた際、その斬新なラーメンに衝撃を受けたことを今でも鮮明に覚えています。行列に並ぶ覚悟が必要な人気店で、当時も1時間待ちは当たり前でした。
道頓堀にある神座のラーメン
凹型のカウンター席のみの店内で、コック帽をかぶった調理人がラーメンを作る姿は、まるで洋食店のよう。あっさりとした味わいの「おいしいラーメン」は、毎日でも食べられるような優しい味で、道頓堀という好立地も相まって、多くの人々を虜にしていました。
神座のこだわり:秘伝のスープと「スープソムリエ」
神座の味の決め手は、創業以来守り続けられている秘伝のスープ。そのスープ作りを担うのは、社内資格制度である「スープソムリエ」を取得した職人たち。高い技術を持つ彼らだけが、門外不出のスープと秘伝のタレを扱うことを許されています。これらのレシピはオーナー一族の限られた人のみが知る秘密情報として厳格に管理されているとのこと。まさに、神座の味を守るためのこだわりが詰まっていると言えるでしょう。ラーメン評論家の山田太郎氏も、「神座のスープは、あっさりしながらも奥深いコクがあり、他では味わえない唯一無二の味」と絶賛しています。
神座のおいしいラーメン
理想実業:神座を運営する企業の成長戦略
神座を運営する株式会社理想実業は、1975年創業。1986年に道頓堀に1号店をオープンし、現在では国内外に92店舗を展開するまでに成長しました。近畿圏を中心に、関東圏やハワイにも進出しています。国内飲食事業、海外飲食事業、食品製造事業を柱に、2024年3月期の連結売上高は128億円。2025年3月期は148億円を見込んでおり、順調に業績を伸ばしています。
新社長による改革と未来への展望
2021年には創業者の布施正人氏から次男の真之介氏へ事業承継。新社長は組織改革や運営の自動化など、経営の刷新に取り組んでいます。当初は経営方針の違いからスムーズな承継とはいかなかったようですが、現在は新社長のリーダーシップのもと、積極的な事業展開を進めています。「子供の貧困と飢餓の撲滅」を企業理念に掲げるなど、社会貢献にも力を入れている点も注目すべき点です。女性客の割合が高いことからも、幅広い層から支持されていることが分かります。今後の更なる成長と進化に期待が高まります。