「副首都構想」は実施すべきか?やり方次第では経済の衰退を招く可能性も…


【写真】首都移転で経済が衰退する一つの事例

 この構想は、日本維新の会が25年の参院選の際にマニフェストとして政権公約2025基幹政策(コア・ポリシー)において述べたもので、上に述べた目的に加え、副首都を地方分権等を促進する拠点と位置づけ、東京圏と並びわが国の経済成長を牽引できるような場所にすることを目指している。

 首都機能の移転については、22年3月29日の当サイトの記事「叫ばれる首都機能移転 なぜ、進まないのか?」にてメリット、デメリットについて整理したが、それを踏まえつつ、今回の副首都構想を考えるうえで注意すべき点をまとめてみたい。

一極集中の是非

 東京の規模や一極集中の是非を論ずる際には、人口集中がもたらす集積の経済(取引費用の節約や財やサービスの多様性、人的交流を通じたスピルオーバー(拡散)効果などを通じた、人口集中の意図せざるメリット)と、混雑の不経済(混雑や渋滞などを通じた、人口集中の意図せざるデメリット)とのバランスで判断する必要がある。それにもかかわらず、実際は、東京のインフラを含めたキャパシティに対して今の人口規模が過大かという定量的な検証は行われず、過大であることがあたかも常識のように語られている。議論の出発点としてこの点はもう少し丁寧に吟味すべきであろう。



Source link