ウクライナ産石炭でモルドバのエネルギー危機支援へ ゼレンスキー大統領とサンドゥ大統領が電話会談

モルドバの沿ドニエストル地方で深刻化するエネルギー危機を受け、ウクライナのゼレンスキー大統領とモルドバのサンドゥ大統領が1月8日に電話会談を行いました。ウクライナからの石炭供給による支援が焦点となり、両国の緊密な連携が改めて注目されています。

ロシアへのエネルギー依存とウクライナ紛争の影響

沿ドニエストル地方は、長年にわたりロシアからの天然ガス供給に依存してきました。しかし、ウクライナ紛争の影響で、ウクライナ領土を経由するガス輸送協定が更新されず、2025年1月1日より供給が停止。停電や暖房不足といった深刻なエネルギー危機に陥っています。

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ウクライナからの石炭供給で危機打開を目指す

ゼレンスキー大統領は8日夜のビデオ演説で、モルドバへの支援表明を行い、「石炭供給を含め、あらゆる支援を行う用意がある」と強調しました。サンドゥ大統領も声明を発表し、代替エネルギー源としての石炭利用を含め、人道危機の悪化を防ぐための共通の解決策を模索することで合意したと明らかにしました。

ロシアによるエネルギー操作?

ゼレンスキー大統領は、今回の危機はロシアによるエネルギー操作が原因だと非難。親欧州路線をとるモルドバ政府を destabilize する狙いがあると指摘しています。国際エネルギー専門家、田中一郎氏(仮名)もこの見解に同意し、「ロシアはエネルギーを政治的圧力手段として利用する傾向がある。今回のモルドバの危機もその一例と言えるだろう」と述べています。

モルドバのエネルギー安全保障の今後

モルドバは今回の危機を教訓に、エネルギー供給源の多様化を図る必要に迫られています。ルーマニアとの電力網接続強化や再生可能エネルギーの導入促進など、エネルギー安全保障の強化に向けた取り組みが加速すると予想されます。

両国の協力関係と国際社会の支援

ウクライナとモルドバは、ともにロシアの侵略に苦しむ隣国として、緊密な協力関係を築いています。今回の石炭供給支援も、その強い絆を象徴するものと言えるでしょう。国際社会も、モルドバのエネルギー危機に対する支援を強化していくことが重要です。

モルドバのエネルギー危機は、地政学的なリスクの高まりを改めて示すものとなりました。今後の動向に注目していく必要があります。