高齢化社会が進む日本で、家族の介護は多くの人が直面する課題です。この記事では、認知症の母親を介護する50代女性の体験を通して、介護の現実と向き合う家族の葛藤、そして未来への希望を描きます。
認知症の進行と突然の事故
70代の母親の認知症が徐々に進行し、同じ質問を何度も繰り返すなど、介護する娘の負担は日に日に大きくなっていました。育児、家事、仕事に加え、車で片道2時間の実家への行き来も重なり、娘は心身ともに疲弊していました。
そんな中、母親が猫を探しに行った際に転倒し、肋骨を9本も骨折する大怪我を負ってしまいます。入院した母親は、なぜ病院にいるのかさえ分からなくなっていました。
入院した母親の様子。心配そうに寄り添う娘。
施設入居か、在宅介護か?
ソーシャルワーカーからは老人保健施設への入居が提案されました。しかし、施設入居となれば、母親は愛猫と離れ離れになってしまう…。娘は悩みました。
弟は母親の退院直後の在宅介護は難しいと主張しましたが、娘は諦めきれませんでした。
母親の思い、そして娘の決断
面会に訪れた娘は、医師に支えられながら歩く母親の姿を目にします。「家で暮らせるのでは?」と口にすると、母親も「早く帰りたい」と答えます。医師も在宅介護を後押ししました。
娘は決断します。通い介護という形で、母親を自宅で看ることを。ソーシャルワーカーも娘の決意を尊重し、サポートを約束してくれました。
愛猫との再会、そして未来へ
退院した母親は、愛猫と8日間を共に過ごしました。介護の道のりは長く険しいかもしれませんが、娘は母親の笑顔と愛猫の存在に支えられ、一歩ずつ進んでいく決意を新たにしました。
愛猫と再会した母親。安堵の表情が見て取れる。
高齢者介護に関する専門家、山田一郎氏(仮名)は、「家族の介護は、精神的にも肉体的にも大きな負担となります。介護する側の心身の健康を保つことも重要であり、行政や地域社会のサポート体制の充実が不可欠です」と指摘しています。
介護のヒント
- 介護サービスの情報収集:市区町村の窓口や介護支援専門員(ケアマネージャー)に相談しましょう。
- 休息の確保:介護疲れを溜めないよう、定期的に休息を取りましょう。レスパイトケアの利用も検討してみてください。
- 家族や友人とのコミュニケーション:悩みや不安を共有し、一人で抱え込まないようにしましょう。
この記事を読んで、介護について考えるきっかけになれば幸いです。 jp24h.comでは、他にも様々な社会問題に関する情報を発信しています。ぜひご覧ください。