ボブ・ディランが20年間暮らしたニューヨークの住宅、約11億円で売り出し中(海外)


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わずか20軒の家と共有の庭があるこの居住区は、今でも俳優やミュージシャンのお気に入りのたまり場となっている。

彼の生涯を描いた映画が劇場公開されているのは単なる偶然だと不動産業者は話している。

ボブ・ディラン(Bob Dylan)が静かに暮らしていたニューヨークの住宅が売りに出されている。

この伝説的なシンガーソングライターは、1980年代にマンハッタンのイースト49丁目にあるタウンハウスを借りていたが、この物件がとても気に入り、1990年にビジネスパートナーの名義で購入したという。当時の購入金額は明らかにされていない。

2005年、彼はこの住宅を今の所有者に445万ドル(当時のレートで約4672万円)で売却した。その所有者は今回、希望価格725万ドル(約11億4043万円)で市場に出している。

この5階建ての住宅は、タートル・ベイ・ガーデンズに位置している。ここは、イースト49丁目とイースト48丁目にまたがる1860年代建築のタウンハウス20棟からなる歴史的な区域であり、住民専用の共有庭園につながる裏庭もある。

ディランは史上最も多くのアルバムを売り上げた音楽アーティストの一人であり、当時は幼い子どもを抱えていた。そのため、この住宅のプライバシーが守れるところを気に入っていたと当時、修理などを担当していた人物が不動産ニュースサイト「カーブド(Curbed)」に語っている。

タートル・ベイ・ガーデンズは、ハリウッドやブロードウェイの著名人を含むクリエイティブな人々を長年引きつけてきている。ディランが住んでいたイースト49丁目242番地の住宅の以前の借主には、女優のメアリー・タイラー・ムーア(Mary Tyler Moore)などもいる。

ブロードウェイの作曲家スティーブン・ソンドハイム(Stephen Sondheim)は、2021年に亡くなるまでの60年間、244番地を自宅としていた。物件記録によると、この住宅は2023年に700万ドル(約9億3000万円)で売却されている。また、女優のキャサリン・ヘプバーン(Katharine Hepburn)は隣のイースト49丁目244番地に住んでいた。さらに、元子役でファッションデザイナーのメアリー=ケイト・オルセン(Mary-Kate Olsen)と元夫の銀行家オリヴィエ・サルコジ(Olivier Sarkozy)は、2024年から2022年までイースト49丁目226~228番地を所有していたという。

不動産会社のサザビーズ・インターナショナル・リアルティ(Sotheby’s International Realty)でアンジェラ・ウー(Angela Wu)とともにこの物件の販売を担当するリサ・ラーソン(Lisa Larson)によると、今の所有者はこのディランの住宅を「ニューヨーク滞在時の拠点」として利用していたという。

「彼らはニューヨークにあまり来ることがなかったので、この物件を貸し出していたが、今になって売ることに決めたようだ」とラーソンはBusiness Insiderに話している。

この物件は2024年12月5日に市場に出された。またボブ・ディランの伝記映画『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』では、ティモシー・シャラメ(Timothy Chalamet)がディランを演じており、同年の12月25日のクリスマスの日に劇場公開されている。

ラーソンは、そのタイミングは幸運な偶然だと話している。

「新しいボブ・ディランの映画があることすら知らなかった」とラーソンは言う。

「完全に偶然の一致だ。というのも、我々はただ最後のテナントが出て行くのを待っていただけなのだから」

ではディランが住んでいた家の中を覗いてみよう。この家は古風な特徴と現代的な設備が融合し、そこにある秘密の庭園も魅力的なものとなっている。

1980年代から2005年までボブ・ディランが住んでいた家が、725万ドル(約11億4043万円)で市場に売りに出されている

ディランは1980年代に、この家を脚本家のガーソン・カニンと女優のルース・ゴードン夫妻から借りていた

最初は彼は賃貸で住み始め、その後、この物件をとても気に入って購入した

この家はタートル・ベイ・ガーデンズという静かな隠れ家のような魅力的なエリアにある

「ここにはかなり名高い歴史がある」とラーソンは言う。

「この20軒の住宅が集まる区域には、多くの劇作家、作家、俳優、そして音楽家たちが住んでいた」

イースト49丁目とイースト48丁目にあるこの20軒のタウンハウスの所有者たちは専用の裏庭から住民の共有庭園に入れる

タートル・ベイ・ガーデンズは、1966年にニューヨーク市歴史建造物保存委員会(Landmarks Preservation Commission)によって歴史的地区に指定された。ローマのヴィラ・メディチを模した噴水が設置されている。

「周りが賑やかで高層ビルが立ち並ぶ中にあって、この特別な小さな区域には独特の雰囲気がある」とラーソンは話す。

現在の所有者は2005年にディランから445万ドル(当時の約46億725万円)でこの家を購入し、その後、改装を行っている

「物件の価値を向上させるため、元所有者はよりモダンなキッチンに変え、すべてのバスルームを改装した」とラーソンは説明する。

「この物件は現代的な家の便利さを全て備えていながら、古き良き特徴も多く残っている」

ディランはタウンハウスの内部に多くの鏡を設置していたが、それらは改装の際に取り除かれた

現在の所有者はこの家をニューヨーク訪問時の滞在用別宅として使用していたが、ニューヨーク市を訪れたのは年間で5回未満だったという

所有者は2023年はこのタウンハウスを賃貸に出していた

1階にはパティオと庭があり、それらは共有庭園へと続いている

応接間やリビングルームがある階には、下の階へと続くテラスもある。

「応接間やリビングルームがある階に小さなテラスやバルコニーがあること自体は特別ではないが、そこから出て下の階に降りて庭に行けるという点はかなりユニークで特別だ」とラーソンは話している。

この家のユニークな特徴は、専用の裏庭から共有庭園へと続くレンガの階段にある

「この裏庭はタートル・ベイ・ガーデンズ全体で最も美しいものの一つだと私は思う。どうしてかというと、2段階の構造になっていて、素晴らしいレンガ細工や石細工が施されているからだ」とラーソンは語った。

5つの寝室とバスルームを備えた家の内部の広さは、約5400平方フィート(約500平方メートル)

家の中には暖炉が7つあるが、そのうちの一つは図書室にある

5階建ての家のあちらこちらにあるアーチ型のドアは、家が建てられた当時からあるものだ。エレベーターはディランが売却した後に増設された

ラーソンによると、この家の幅は19フィート(約5.79m)だという。

「19フィートの家にはエレベーターがあるものもあれば、ないものもある」と彼女は付け加えた。「エレベーターが家の中にあるのは大きな利点だ」

Jordan Pandy



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