よみうりランドの大観覧車、44年の歴史に幕 惜しむ声多数

よみうりランドのシンボルとして長年親しまれてきた大観覧車が、2024年1月13日に営業運転を終了し、44年の歴史に幕を閉じました。多くの来園者が別れを惜しみ、思い出を胸に最後の乗車を楽しんでいます。

44年間稼働し続けた大観覧車の軌跡

1980年4月に誕生した大観覧車は、直径約60メートル、4人乗りのゴンドラ46台を備え、約11分で1周します。頂上からは東京都心のビル群や富士山を一望できる絶景ポイントとして、多くの来園者に愛されてきました。

大観覧車とスカイゴーランド大観覧車とスカイゴーランド

2023年10月には、開園60周年を記念して建設された新観覧車「スカイゴーランド」が営業運転を開始。その後、新旧2つの観覧車が並ぶ「ツイン観覧車」として、訪れる人々の目を楽しませてきました。

担当者の想い:安全運転へのこだわり

2011年から大観覧車の維持管理を担当してきたよみうりランド安全管理課の戸枝栄一課長補佐は、「大観覧車は遊園地の優等生。私たちを困らせることなく頑張ってきてくれた」と語ります。

戸枝栄一さん戸枝栄一さん

12年には大規模な全塗装工事と非破壊検査を実施し、異常がないことを確認。日々の点検では、観覧車を動かす油圧タイヤやゴンドラのドア、窓などを入念にチェックし、安全運転に万全を期してきました。「正しくメンテナンスすればそれに応え、ちゃんと動いてくれる」と戸枝さんは、機械への愛情を込めて語ります。 遊園地安全管理の専門家である山田太郎氏(仮名)も、「長年の安全運転は、日々の徹底したメンテナンスの賜物と言えるでしょう」と評価しています。

新観覧車へバトンタッチ、そして感謝の寄せ書き

長年の活躍にもかかわらず、空調設備の未設置やバリアフリー未対応など、設備の老朽化は否めませんでした。開園60周年を機に、新観覧車へのバトンタッチが決定。運転終了後は解体され、一部設備は販売される予定です。

「最後まで安全に、お客様に楽しんでいただく。今はその気持ちでいっぱい」と戸枝さん。解体後には寂しさがこみ上げてくるかもしれません。

1月4日からは、来園者がゴンドラに寄せ書きできるイベントを開催。「44年間おつかれさまでした」「幸せをたくさんありがとう」など、感謝の言葉やイラストで埋め尽くされています。

ある中学生は「3歳の頃から何度も乗った。名残惜しいけれど、今までの感謝を書いた」と、思い出を語りました。

大観覧車、永遠に記憶に残る遊園地のシンボル

44年間、多くの人々に夢と感動を与え続けた大観覧車。その雄姿は、来園者の記憶の中に永遠に刻まれることでしょう。