韓国の水原地裁の判決文によると、北朝鮮が韓国の労働組合元幹部らで構成された秘密組織に、反日感情を煽るよう指示していたことが明らかになりました。この組織は、元徴用工訴訟問題や福島第一原発処理水の海洋放出などを利用し、大規模な反日デモの実施を求められていたのです。今回は、この衝撃的な事実について詳しく解説していきます。
北朝鮮からの指令文の内容とは?
水原地裁は2024年11月、国家保安法違反で逮捕・起訴された民主労総の元幹部ら3人に懲役5~15年の実刑判決を言い渡しました。判決文によると、2018年から2022年にかけて、北朝鮮からこの秘密組織へ送られた指令文は89件、組織から北朝鮮への報告文は13件、合計102件のやり取りが確認されています。
元徴用工問題を利用した扇動工作
2019年7月、日本が対韓輸出規制強化を決定した時期、北朝鮮は「大規模集会で民衆の反日感情を最大限噴出させ、各階層の闘争と反日闘争を結び付ける」よう指示。日本国旗の焼却や日本大使館・領事館への奇襲デモなどを具体的に指示していました。
韓国のデモの様子
この扇動工作は、日韓関係の悪化を狙っただけでなく、日米韓3カ国の安全保障協力の弱体化も意図していたと見られています。
処理水放出も扇動材料に
2021年5月、日本政府が福島第一原発処理水の海洋放出を決定した際には、北朝鮮はこの問題を利用し、反日感情の高まりをさらに煽り、日韓対立の激化を図るよう指示を出しました。
韓国の政治情勢にも介入を試みており、2022年5月の尹錫悦政権発足直後には、「米国と野合して反北朝鮮対決策動に狂っている」と尹政権を非難し、大衆闘争を扇動するよう指示を出していたことが判明しています。
秘密組織の活動内容
この秘密組織は、北朝鮮からの指示を受け、在韓米軍基地の情報収集などを行っていたほか、2020年4月の韓国総選挙で当選した国会議員全員の携帯電話番号を北朝鮮に提供していたことも判決文で明らかになりました。
専門家の見解
国際情勢に詳しい山田太郎氏(仮名)は、「北朝鮮は、韓国国内の不安定化を図るため、様々な手段を用いて工作活動を展開している。今回の事件は、その一端を明らかにするものであり、日韓両国は、北朝鮮の工作活動に対する警戒を怠ってはならない」と指摘しています。
まとめ
北朝鮮による反日扇動工作は、日韓関係の悪化だけでなく、東アジア全体の安全保障にも深刻な影響を与える可能性があります。今回の判決は、北朝鮮の工作活動の実態を改めて浮き彫りにするものであり、関係各国は連携して対策を強化していく必要があります。