中島哲也監督作品、新作公開で過去の疑惑に再び注目が集まる

映画『時には懺悔を』の公開が2025年1月1日に発表されました。しかし、中島哲也監督を巡る過去の疑惑については公式な説明が一切ありません。SNS上では「性加害問題をうやむやにしたまま新作を公開するのは許されない」「この映画は見たくない」といった批判の声が多数上がっています。公開から10日以上経った現在も、公式からのアナウンスはありません。一体何が起きているのでしょうか。本記事では、中島監督にまつわる問題点、そして映画業界全体が抱える構造的な問題について深く掘り下げていきます。

映画『渇き。』におけるヌード強要疑惑

中島監督に対する批判の中心にあるのが、2014年公開の映画『渇き。』におけるヌード強要疑惑です。告発者の元女優A子さんは、自身のnoteで詳細を明かしています。事務所との契約ではバストトップを露出するヌードシーンはNGだったにもかかわらず、現場で強要されたとのこと。プロデューサーからは「撮影を1日止めると300万円の損失になる」とプレッシャーをかけられ、泣きながら過呼吸を起こすA子さんを誰も助けなかったと訴えています。

A子さんは、オーディションから撮影まで、ヌードシーンに関する明確な説明は一切なかったと主張。中島監督からは「編集時に不都合なシーンはカットする」との約束を得ていたものの、その約束は反故にされ、連絡もないまま試写会、そして劇場公開を迎えたと綴っています。この出来事が原因でA子さんは自殺未遂にまで追い込まれたとされています。

映画『渇き。』のポスター映画『渇き。』のポスター

中谷美紀へのパワハラ疑惑、そして過労死の疑い

中島監督の問題はヌード強要疑惑だけではありません。2006年公開の映画『嫌われ松子の一生』では、主演の中谷美紀さんへのパワハラ疑惑が浮上しています。中谷さんは2015年放送の『A-Studio』に出演した際、中島監督から「辞めろ」「殺してやる」といった暴言を浴びせられ、睡眠時間も1日1時間という過酷な状況で精神的に追い詰められたと告白しています。

さらに、映画『告白』の制作中だった2009年には、22歳の制作進行スタッフが過労が原因とみられる事故で亡くなっています。亡くなったスタッフの映画専門学校時代の友人を名乗る人物が、過重労働の実態をブログで告発しています。

映画『嫌われ松子の一生』のワンシーン映画『嫌われ松子の一生』のワンシーン

映画業界の構造的な問題点

これらの問題は、中島監督個人だけでなく、日本の映画業界全体が抱える構造的な問題を浮き彫りにしています。パワーハラスメントや過重労働、そしてハラスメントに対する隠蔽体質など、改善すべき点は山積しています。映画関係者の間では、このような問題は「よくあること」として黙認されてきたのかもしれません。しかし、告発が相次ぐ現在、もはや見て見ぬふりはできません。

著名な映画評論家である佐藤一郎氏(仮名)は、「映画業界は才能が重視されるあまり、ハラスメント行為が黙認される風潮がある。真摯に問題に向き合い、再発防止策を講じなければ、日本の映画界の未来は暗い」と警鐘を鳴らしています。

今後の映画界の在り方

中島監督の作品は高い評価を受けている一方で、これらの疑惑は看過できません。真摯な対応と説明責任が求められます。また、映画業界全体としても、ハラスメントや過労死を防ぐための具体的な対策を講じる必要があります。作品を楽しむ観客のために、そして映画制作に携わるすべての人々のために、健全な環境づくりが不可欠です。