坂東龍汰、映画『君の忘れ方』で単独初主演:恋人喪失の青年を演じ、再生への道のりを描く

映画『君の忘れ方』で坂東龍汰さんが単独初主演を務め、恋人喪失という深い悲しみを抱える青年・昴を繊細に演じています。この記事では、坂東さんのインタビューを交えながら、映画の見どころや役作りへの思いを探っていきます。

恋人喪失の青年・昴と坂東龍汰の挑戦

結婚直前に恋人を失うという深い悲しみを経験した青年・昴。東京での生活に疲れ、グリーフケアからも距離を置いていた昴が、故郷・飛騨高山で出会う人々との交流を通して、再生への道を歩み始める物語です。坂東さんは、2時間スクリーンに映り続けるというプレッシャーの中、昴の感情を丁寧に表現することに注力しました。「主観でいろ」という作道監督の言葉を受け、自身と昴が一体となるような感覚で撮影に臨んだそうです。

坂東龍汰さんが演じる昴。喪失感と向き合う表情が印象的。坂東龍汰さんが演じる昴。喪失感と向き合う表情が印象的。

経験のない感情との向き合い方:監督との対話、そして父親からの教え

恋人との死別という、自身にとって未経験の感情を表現するために、坂東さんは作道監督と綿密な打ち合わせを重ね、役作りに励みました。脚本の持つ余白を活かし、観客が昴の心情に寄り添い、共に考えを巡らせることができる作品になっていると坂東さんは語っています。また、父親から聞いた大切な身内との死別体験も、昴の感情を理解する上で大きなヒントになったそうです。悲しみだけではなく、受け入れられない混乱や揺れ動く感情をリアルに表現することで、より深い共感を生み出しています。

西野七瀬との共演:写真撮影が生み出した昴と美紀の絆

西野七瀬さん演じる恋人・美紀の存在は、昴にとってかけがえのないものです。クランクイン前に、生前の美紀と昴の姿を写真に収めるという作業は、役作りの上で非常に重要な意味を持っていました。西野さんの持つ透明感と儚さが美紀というキャラクターにぴったりとはまり、初対面ながらも自然な恋人同士の雰囲気を醸し出すことができたと坂東さんは振り返っています。この写真撮影を通して、昴の美紀への愛情がより深く、確かなものになったと言えるでしょう。映画評論家の山田一郎氏も、「二人の写真は、まるで本当の恋人同士のよう。その自然な空気感が、映画全体の情感を深めている」と高く評価しています。

恋人役の西野七瀬さんと写真に収まる。自然な恋人同士の雰囲気を醸し出している。恋人役の西野七瀬さんと写真に収まる。自然な恋人同士の雰囲気を醸し出している。

俳優・坂東龍汰の飛躍:今後の活躍に期待

ニューヨーク生まれ、北海道育ちというユニークな経歴を持つ坂東龍汰さん。数々の話題作に出演し、繊細な演技で注目を集めてきました。映画『フタリノセカイ』では、第32回日本映画批評家大賞の新人男優賞(南俊子賞)を受賞するなど、実力派俳優として着実に成長を遂げています。『君の忘れ方』での単独初主演は、俳優としての新たな一歩となるでしょう。今後の活躍にますます期待が高まります。