政権運営の正念場を迎える石破茂首相。1月24日召集の通常国会を前に、公邸に自民党幹部を集め会食を行いました。少数与党となった今、野党との協調は不可欠ですが、果たしてどのような舵取りを見せるのでしょうか。
少数与党の苦悩と課題
昨年の衆院選で苦杯を喫し、少数与党に転落した自民党。秋の臨時国会では野党の主張を受け入れる場面も多く見られました。政権維持に強いこだわりを持つ石破首相にとって、来年度予算案を審議する通常国会はまさに正念場。出席者によると、首相は「何としても年度内に予算を成立させねばならない」と強い意欲を示したとのことです。
石破首相と森山幹事長
政治評論家の有馬晴海氏は、「通常国会に提出される法案は例年並みの59本。自公与党はあらゆる局面で野党との合意が不可欠です。内閣支持率が低迷する中、通常国会、そして夏の参院選と試練は続きます。石破首相にとって、国対経験が豊富な森山幹事長は頼りになる存在でしょう」と分析しています。
野党との協調と不信感
臨時国会では、国民民主党の「年収103万円の壁」問題、日本維新の会の「教育無償化」、立憲民主党の「能登への予備費1000億円拠出」など、野党の主張を受け入れる形で補正予算が成立しました。しかし、野党側には依然として不信感も根強く、「石破首相は口では『熟議』と言いますが、本当に信頼できるのでしょうか。国民民主党と合意した『178万円への引き上げ』も、『123万円』で覆されました。政権にしがみつき、最後に梯子を外すような不気味さを感じます」との声も上がっています。
国民のための政治とは
有馬氏は、「『政治』とは国民の幸せを実現することであり、自民党が独善的に政策を実行することではありません。国民の手取りを増やす議論でも、財務省の影響か『徴税策』の余地を残そうとしています。国民が支持する政策を実現すれば、支持率は自然と上がります。野党の主張を渋々飲むだけでは成果にはなりません。自民党が率先してしがらみや無駄を排除するぐらいの勢いが必要です」と指摘します。
石破首相のジェスチャー
通常国会を乗り切り、国民の信頼を取り戻すことができるのか。石破首相の手腕が問われています。