宇都宮LRT開業1年、街をどう変えた?ライトライン効果で活気づく街の未来

宇都宮市と芳賀町を結ぶ路面電車「ライトライン(芳賀・宇都宮LRT)」が開業1年を迎えました。75年ぶりの路面電車導入は、街にどんな変化をもたらしたのでしょうか?開業当初の想定を上回る利用者数、活気づく街の様子、そして今後の展望まで、ライトラインがもたらす効果に迫ります。

ライトライン、驚きの乗車率とダイヤ改正

宇都宮駅西口周辺の完成予想図。中央の坂にライトラインが描かれている。宇都宮駅西口周辺の完成予想図。中央の坂にライトラインが描かれている。

2023年8月、75年ぶりに国内で復活した路面電車「ライトライン」。全長14.6kmの路線は、宇都宮市と芳賀町を最短42分で結び、開業当初から大きな注目を集めました。平日15,000~18,000人、土日祝日も10,000人という利用者数は、当初の想定を大きく上回り、開業1年以内に3回ものダイヤ改正を行い増便。ピーク時には5~8分間隔、オフピーク時でも約12分間隔で運行しています。この驚異的な利用者数は、ライトラインが市民の生活に欠かせない存在になりつつあることを示しています。

ライトラインが生み出す経済効果と街の活性化

ライトラインのラッピング広告。2024年12月現在満枠。ライトラインのラッピング広告。2024年12月現在満枠。

ライトラインの導入は、公共交通の利便性向上だけでなく、街の活性化にも大きく貢献しています。国内外から多くの視察団が訪れ、2024年11月末時点で556件、延べ9,733名もの視察が実施されています。ライトラインは、新たな街づくりのモデルケースとして注目を集めているのです。ラッピング広告も満枠となるなど、新たなビジネスチャンスも生まれています。

専門家も注目するライトラインの都市計画への影響

広島工業大学工学部環境土木工学科教授の伊藤雅氏は、著書『路面電車レシピ 住みやすいまちとLRT』(技術堂出版)の中で、LRTは単なる交通手段ではなく、まちづくりの基礎であると述べています。伊藤氏は、ライトラインが都市機能の一つとしてうまく機能していると評価し、4,000人が自家用車からライトラインへ乗り換えたというアンケート結果からも、その効果を実感しています。

歩きたくなる街、住みたくなる街へ

ライトラインの導入は、「歩きたくなる街、住みたくなる街をつくること」を目標としています。現状は東側の郊外を結ぶ路線のため、歩きたくなる街づくりはこれからですが、西側の中心市街地への延伸計画も進められています。ヨーロッパの街のように、ライトラインを中心に歩行者空間が整備されれば、より魅力的な街へと進化していくでしょう。

ライトラインの未来、そして宇都宮の未来

ライトラインは、宇都宮の街に新たな活気と可能性をもたらしました。今後の路線延伸や周辺開発によって、更なる発展が期待されます。ライトラインとともに進化していく宇都宮の未来に、ますます注目が集まります。