小5で性虐待…24歳女性が語る心の傷と向き合う日々、そして日本の性被害の実情

幼い頃に性虐待を受け、心に深い傷を負った橋本なずなさん(24歳)。彼女は今、自身の体験を語ることで、性犯罪のない社会を目指し、活動を続けています。2度の自殺未遂を経験するほどのトラウマやフラッシュバックに苦しめられながらも、前を向いて歩む彼女の力強い姿、そして日本の性被害の実情について迫ります。

母に知ってほしかった、あの日の出来事

橋本さんは、小学5年生の時に母親の交際相手から性虐待を受けました。しかし、その事実を母親に打ち明けることができず、長い間、1人で苦しみを抱え続けてきました。

大人になり、ニューヨーク・タイムズの取材を受けたことが転機となりました。世界的に注目を集めるメディアで自身の体験を語ることで、母親に知ってほしいという思いがあったのです。

母親の反応、そしてメディアを通しての告白

ニューヨーク・タイムズの記事を読んだ母親からの言葉はありませんでした。その後も、他のメディアで性虐待について語りましたが、母親は沈黙を守り続けました。

しかし、あるテレビ番組の取材で、母親も同席した際に、初めてカメラの前で母親の気持ちを聞くことができました。

「守ってあげられなくて、申し訳ない」

母の謝罪、そして娘の思い

カメラの前で、母親は「何も知らなくて、守ってあげられなかった。申し訳ない」と語りました。しかし、取材後、改めて謝罪の言葉はありませんでした。

橋本さんは、カメラの前ではなく、2人きりの時に謝ってほしかったと心の中で思っていました。ニューヨーク・タイムズの記事を読んだ時、母親からの言葉がどれほど待ち遠しかったことか。しかし、その願いは叶わず、深い失望感に襲われたのでした。

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性虐待のトラウマを抱えながらも、前向きに生きる橋本さんの姿は、多くの性被害者の心に勇気を与えています。性暴力のない社会の実現に向けて、彼女はこれからも声を上げ続けるでしょう。彼女のような勇気ある行動が、社会を変える力となるはずです。

日本の性被害の実情は深刻です。子どもたちの未来を守るため、そして被害者を1人でも減らすため、私たち一人ひとりができることを考えていかなければなりません。性教育の充実、相談窓口の整備など、社会全体で取り組むべき課題は山積しています。橋本さんのような勇気ある告発が、社会を変える第一歩となることを願ってやみません。