深海の謎「暗黒酸素」:生命誕生の鍵を握る?日本財団が4億円支援、国際共同研究へ

深海には、太陽光が届かない暗闇にもかかわらず、酸素が存在します。この謎の酸素「暗黒酸素」の生成メカニズムを解明するため、日本財団がイギリスの研究グループと共同研究を開始します。本記事では、この研究の目的、内容、そして生命の起源解明への可能性について解説します。

暗黒酸素:深海に潜む生命の謎

地球の深海、太陽光の届かない暗黒の世界。そこには、光合成とは異なる方法で生成される「暗黒酸素」が存在します。この酸素は一体どこから来るのでしょうか?その謎を解き明かすべく、日本財団はスコットランド海洋科学協会のスウィートマン教授率いる研究チームに、3年間で約4億円もの支援を行うことを発表しました。

金属の塊が鍵?革新的な仮説

スウィートマン教授は、深海に存在する金属の塊が、海水を電気分解することで酸素を生成している可能性を指摘しています。これは、従来の生命科学の常識を覆す革新的な仮説です。もしこの仮説が証明されれば、地球生命誕生の謎を解き明かす大きな一歩となるでしょう。

最新鋭の実験装置で深海11,000mへ

今回の共同研究では、水深11,000メートル以上の深海に到達可能な最新鋭の実験装置を開発。この装置を用いて、「暗黒酸素」の発生源を特定し、深海生物への影響などを調査します。未知なる深海の世界を探求する、壮大なプロジェクトです。

深海探査機のイメージ深海探査機のイメージ

地球外生命の可能性も?

深海における「暗黒酸素」の生成メカニズムが解明されれば、地球上の生命誕生の謎だけでなく、地球外生命存在の可能性についても新たな知見が得られると期待されています。例えば、木星の衛星エウロパなど、氷で覆われた天体にも液体の水が存在すると考えられており、そこでも「暗黒酸素」のようなメカニズムで生命が誕生している可能性があるのです。

深海研究の新たな幕開け

日本財団とイギリスの研究チームによる国際共同研究は、深海研究の新たな幕開けとなるでしょう。「暗黒酸素」の謎を解き明かし、生命誕生の秘密に迫る、この壮大なプロジェクトの進展に期待が高まります。

深海生物のイメージ深海生物のイメージ

専門家の声

海洋生物学者の加藤先生(仮名)は、「今回の研究は、生命科学における大きなブレークスルーとなる可能性を秘めている。暗黒酸素の生成メカニズムの解明は、地球生命誕生の謎だけでなく、宇宙における生命の可能性についても新たな視点を提供してくれるだろう」と述べています。

まとめ

深海に潜む謎の酸素「暗黒酸素」。その生成メカニズムの解明は、生命誕生の起源に迫る重要な鍵となる可能性を秘めています。日本財団とイギリスの研究チームによる国際共同研究の成果に、世界中の科学者が注目しています。