就任式を経て始動したトランプ第二期政権。早くも国際社会への挑発的な発言で注目を集めるトランプ氏ですが、その背後で政権運営の鍵を握るのが、スージー・ワイルズ首席補佐官です。今回は、この注目の人物について深く掘り下げ、第二期政権の行方を占います。
波乱の第一期政権と「ノー・ドラマ・ゾーン」宣言
第一期トランプ政権は、まるでドラマのように、側近たちの離職や内紛が絶えませんでした。スティーブン・バノン氏やイヴァンカ・トランプ氏の衝突、さらには執務室の受付担当が政権運営に関与するなど、ホワイトハウス西翼はまさに騒乱状態でした。
ホワイトハウス西翼で働くスージー・ワイルズ氏
しかし、第二期政権で首席補佐官に就任したワイルズ氏は、西翼を「ノー・ドラマ・ゾーン」にすることを宣言。個人プレーやスター気取りのスタッフを排除し、チームワークを重視する姿勢を明確に示しました。米ネットメディア「アクシオス」のインタビューでは、「悪口や不適切な対応は政権のミッションにとって逆効果だ」と断言しています。
ワイルズ氏の戦略:大統領執務室へのアクセス管理
ワイルズ氏の最大の任務は、トランプ氏の言動を管理し、第二期政権の政治・外交戦略をスムーズに進めることです。そのために彼女がとった重要な施策の一つが、大統領執務室へのアクセス管理です。
第一期政権では、多くの関係者が予約なしでトランプ氏に面会できる「ウォークイン」特権を持っていました。これが混乱の一因となったと分析したワイルズ氏は、面会には予約を必須とし、必要に応じて面会を拒否する方針を打ち出しました。ある米政治関係者は、「以前は誰でもトランプ氏に面会してかき乱すことができたが、ワイルズ氏はそれを許さないだろう」と語っています。
スージー・ワイルズ氏が電話で指示を出している様子
トランプ氏の「猛獣使い」としての役割
ワイルズ氏は、単なるアクセス管理にとどまらず、トランプ氏の言動や行動をコントロールする「猛獣使い」としての役割を担っています。過去に問題を起こしたバノン氏やマイケル・フリン氏などをトランプ氏から遠ざけ、政権の安定化を図っています。
政治アナリストの山田一郎氏(仮名)は、「ワイルズ氏は、トランプ氏の衝動的な言動を抑え、政策遂行に集中させることができる唯一の人物だ」と指摘しています。彼女の存在は、第二期トランプ政権の成否を左右する重要な要素となるでしょう。
第二期トランプ政権の行方
ワイルズ氏の尽力により、第二期トランプ政権は、第一期のような混乱は避けられるかもしれません。しかし、トランプ氏の個性的な言動は依然として不確定要素であり、国際社会との関係や国内政策の行方は予断を許しません。ワイルズ氏が、いかにトランプ氏をコントロールし、政権を安定軌道に乗せることができるかが、今後の焦点となるでしょう。