近頃、米国でTikTok禁止の動きを受け、中国発のライフスタイルアプリ「小紅書(RED)」が注目を集めています。まるで宝箱を開けるように、ファッション、美容、グルメ、旅行など、様々な情報を中国ユーザーの視点から発見できるのが魅力。しかし、その一方で、中国特有の検閲システムも存在し、物議を醸しています。今回は、米国で人気急上昇中の小紅書の魅力と課題に迫ります。
小紅書(RED)とは?中国版インスタ?
小紅書は、中国で3億人以上のユーザーを抱える巨大ソーシャルメディアプラットフォームです。写真や動画を通じて、ユーザーが自身のライフスタイルを共有したり、商品レビューを投稿したりする場として人気を博しています。その内容は多岐にわたり、ファッション、コスメ、グルメ、旅行、子育てなど、あらゆるジャンルを網羅。まるで中国版インスタグラム、Pinterest、そして口コミサイトを組み合わせたようなプラットフォームと言えるでしょう。
alt小紅書アプリの画面イメージ。中国語で表示されている。
TikTok禁止で米国ユーザーが流入!
米国でTikTok禁止の動きが強まる中、代替アプリとして小紅書に注目が集まり、米国人ユーザーが急増しています。TikTokで多くのフォロワーを持つアーティスト、ヘザー・ロバーツさんもその一人。「小紅書のユーザーはとても親切で、中国の人々も私たちと変わらないと感じた」と、その魅力を語っています。
検閲システムが壁に?ユーザーの反応は?
しかし、小紅書には中国特有の検閲システムが存在します。これは、暴力的なコンテンツやヘイトスピーチ、ポルノグラフィーなどを排除するだけでなく、政治的に敏感な情報も対象となります。検閲基準は日々変化し、プラットフォーム側は常に対応を迫られています。
あるノンバイナリーの米国人ユーザーは、LGBTQ+コミュニティへの対応について質問した投稿が削除されたと報告。また、別のユーザーは上半身裸の画像が検閲されたことに不満を漏らし、「TikTokやインスタグラムではこんなことはなかった」と訴えています。
alt中国のソーシャルメディアプラットフォームでは検閲が一般的となっている。
小紅書の対応と今後の展望
中国外務省は、ソーシャルメディアの利用は個人の選択だとしつつ、文化交流を支持する姿勢を示しています。小紅書自身も、英語コンテンツの監視体制を強化する動きを見せているとの報道も。
中国国内では、検閲システムをかいくぐるためのアドバイスを米国人ユーザーに伝える動きも出ているようです。例えば、台湾に関する中国の公式見解を受け入れるよう促すユーザーもいるとのこと。
小紅書は、TikTokの代替として米国で急速にユーザーを獲得していますが、検閲システムという大きな課題も抱えています。今後、小紅書がどのようにこの課題と向き合い、グローバル展開を進めていくのか、注目が集まります。