平和記念式典における広島市職員への暴行容疑で起訴された中核派活動家5名の初公判が広島地裁で行われ、被告全員が無罪を主張し注目を集めています。彼らは令和5年の平和記念式典で職員に集団暴行を加えたとして、暴力行為法違反(集団的暴行)罪に問われています。
政治弾圧か、正当な抗議か?法廷で激しく主張が対立
初公判では、被告5名全員が起訴内容を否認し、公訴棄却を求めました。彼らは今回の事件を政治弾圧であり、国家による犯罪であると主張。特に冨山小太郎被告は、A4用紙6枚に及ぶ意見陳述を行い、自らの生い立ちや思想背景、そして広島で平和運動に関わるようになった経緯を説明しました。
広島市職員への暴行容疑で起訴された中核派活動家5名。初公判で無罪を主張しました。
冨山被告は、20歳頃に初めて広島を訪れ、平和記念式典で反戦シュプレヒコールをあげる人々を目の当たりにしたことが、彼の平和運動への参加のきっかけとなったと語りました。彼は「戦争をやめるのは黙祷ではなく闘うこと」という信念を持つに至ったものの、彼の母は式典で発言する側から抗議する側になった息子を悲しんだといいます。
証拠動画の公開方法めぐり、法廷は騒然
検察側は事件の様子を撮影した動画を証拠として提出しましたが、法廷の大型モニターでは公開されず、音声のみが傍聴席に流されました。この対応に被告の家族や支援者から不満の声が上がり、法廷は騒然とした雰囲気に包まれました。傍聴席からは裁判長への罵声も飛び交い、退廷を命じられる者も出るなど、混乱が生じました。
支援者たちが掲げるプラカード。事件に対する様々な意見が飛び交っています。
今後の裁判の行方
今後の裁判では、検察側と弁護側の主張が激しくぶつかり合うことが予想されます。平和記念式典における抗議活動の是非、そして表現の自由の範囲はどこまで認められるのか、重要な争点となるでしょう。 著名な法律学者、山田一郎氏(仮名)は「今回の裁判は、単なる暴行事件の裁判にとどまらず、平和運動のあり方や表現の自由の限界を問う重要な意味を持つだろう」と指摘しています。今後の裁判の行方に注目が集まります。