韓国の食品業界で、かつて販売終了となった人気商品が続々と復活を遂げています。消費者の熱い要望に応える形で、懐かしい味が現代に蘇り、大きな話題となっています。今回は、この復刻版ブームの背景と、代表的な商品について詳しく見ていきましょう。
懐かしい味への渇望：ニュートロトレンドとボイシューマーの力
近年の韓国では、「ニュートロ（New-tro）」と呼ばれる、過去を現代的に再解釈するトレンドが大きな盛り上がりを見せています。この流れの中で、かつて愛された商品へのノスタルジーも高まり、販売終了した製品の再発売を求める「ボイシューマー（Voisumer）」の声が力を持つようになってきました。消費者の声に耳を傾ける企業が増え、復刻版ブームの大きな原動力となっています。
alt
農心ラーメン：60周年記念で伝説が復活
インスタントラーメンの代名詞とも言える「農心ラーメン」が、農心の創立60周年を記念して復刻版として登場しました。「兄貴が先、弟が後」というキャッチコピーで一世を風靡した1975年当時の味が忠実に再現されています。韓国食品史に名を刻むこの商品の復活は、多くの消費者の心を掴んでいます。食品マーケティング専門家のパク・ソンホ氏も「農心ラーメンの復刻は、単なる商品の再発売ではなく、韓国の食文化の原点回帰と言えるでしょう」とコメントしています。
ミノス・バナナ牛乳：12年ぶりの再会
1993年に発売され、長年にわたり愛された「ミノス・バナナ牛乳」も、12年の時を経て復活しました。販売終了後も根強い人気を誇り、多くのファンからの再発売を望む声がソウル牛乳に届いていたそうです。甘くて懐かしい味わいは、現代の若者にも新鮮な驚きを与えているようです。
オリオンのお菓子も続々復刻！
スナック菓子メーカーのオリオンも、復刻版ブームに乗っています。2022年に限定発売され人気を博した「いちごソンイ」が3年ぶりに復活。さらに、2014年に発売され、惜しまれつつ販売終了となった「ポカチップスイートチーズ味」も8年ぶりに再登場しました。
復刻版ブーム、その先にあるもの
今回の復刻版ブームは、単なる懐古主義にとどまらず、企業と消費者の新たなコミュニケーションの形を示しています。SNSなどを通じて消費者の声が直接企業に届き、商品開発に反映されるという流れは、今後ますます加速していくでしょう。韓国食品業界の今後の動向に、引き続き注目が集まります。
