突然現れた「戸籍上の兄」によって、遺産相続手続きが暗礁に乗り上げてしまった女性のケースをご紹介します。遺産相続は誰にでも起こりうる出来事。スムーズな手続きのためにも、戸籍の確認は不可欠です。この記事では、30代女性の体験談を通して、戸籍上の問題が遺産相続に及ぼす影響と、その解決策について詳しく解説します。
父親の遺産相続で発覚した驚きの事実
30代のある女性は、父親の死後、不動産を相続しようとした際に思いがけない事実を知ることになりました。家族関係証明書を確認したところ、血縁関係のない「3歳上の兄」が戸籍上に存在していたのです。この予期せぬ事態に困惑した女性は、YTNラジオ「チョ・インソプ弁護士の相談室」に相談を持ち掛けました。
遺産相続のイメージ
40年前の養子縁組が原因?
母親に事情を尋ねたところ、40年前に父親が友人の子どもを一時的に養子として迎え入れていたことが明らかになりました。友人は結婚できない恋人との間に子をもうけ、入隊前にその子どもを父親に預けたとのこと。その後、友人は戻ってきて子どもを連れて帰りましたが、父親は戸籍の修正を怠っていたのです。
戸籍上の兄の同意が必要な現状
このため、女性と母親は戸籍上の兄の同意なしに相続手続きを進められないという、非常に困難な状況に陥ってしまいました。 専門家の助言が必要な状況と言えるでしょう。
解決策は?弁護士がアドバイス
番組に出演した弁護士は、母親が家庭裁判所に対し、兄が父親と血縁関係がないことを確認する「親子関係不存在確認訴訟」を起こす必要があると助言しました。戸籍上の兄の住民登録番号を用い、住民登録抄本を通じて住所を特定し、訴状を送達する方法があると説明しています。
兄の行方がわからない場合は?
さらに、弁護士は兄が新たな戸籍を作って生活している可能性も指摘。その場合は家庭裁判所に失踪宣告を申請し、法律上の死亡者として扱うことで相続手続きを進められるとアドバイスしました。 失踪宣告は、行方不明者の財産管理や相続手続きを円滑に進めるための重要な制度です。
まとめ:戸籍確認の重要性
今回のケースは、戸籍上の問題が遺産相続に大きな影響を与えることを示す一例です。相続手続きをスムーズに進めるためにも、日頃から戸籍の確認を怠らないことが重要です。また、予期せぬ事態が発生した場合は、弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。