イーロン・マスク氏のジェスチャー、ナチス式敬礼を想起させ物議 極右団体が称賛、波紋広がる

ドナルド・トランプ前大統領の就任式典で、イーロン・マスク氏が見せたジェスチャーが「ナチス式敬礼」に似ていると物議を醸し、一部の極右過激派から称賛されているという衝撃的な出来事について、詳しく解説していきます。

マスク氏のジェスチャーと波紋の広がり

2025年1月20日、米首都ワシントンのキャピタルワンアリーナで行われたトランプ前大統領の就任式典で、マスク氏は演説中に右手を左胸に当てた後、腕を真っすぐ突き出すジェスチャーを2回行いました。

マスク氏就任式典でのジェスチャーマスク氏就任式典でのジェスチャー

このジェスチャーは瞬く間に注目を集め、ナチス・ドイツの「ジークハイル(勝利万歳)」を唱える際の敬礼に似ていると指摘されました。複数のネオナチ指導者もこの瞬間を捉えた動画を共有し、波紋が広がっています。

マスク氏自身はこれらの批判を「汚い手」「プロパガンダ」と一蹴していますが、極右団体からは称賛の声が上がっています。例えば、オーストラリアのネオナチ団体代表は、テレグラムで「トランプ氏の白人至上主義の瞬間」と称賛し、ネオナチフォーラム「ストームフロント」では、「ハイル・ヒトラー(ヒトラー万歳)」というメッセージとともにマスク氏の画像が投稿されています。

専門家の見解と懸念される影響

憎悪と過激主義に対抗する団体「Global Project Against Hate and Extremism」の共同創設者、ハイディ・ベイリッヒ氏は、「白人至上主義者は、マスク氏がナチス式敬礼をしたと確信している」と指摘し、極右が「狂喜乱舞」していると述べています。

バージニア大学で修辞学と過激主義を研究するT・ケニー・ファウンテン氏も、マスク氏の意図だけでなく、受け止められ方も重要だと指摘。「熱心な聴衆がこのジェスチャーを意味のある承認と解釈するなら、危険な領域にいる」と警鐘を鳴らしています。

ナチス式敬礼ナチス式敬礼

さらに、ネオナチ団体「ブラッド・トライブ」のリーダーは、マスク氏のジェスチャーと、ナチス式敬礼をするメンバーの動画を並べたものを共有し、フォロワーからナチス親衛隊(SS)の隊章を想起させる稲妻の絵文字が多数投稿されました。

X(旧Twitter)上でも、マスク氏のジェスチャーとヒトラーの動画を比較する動画が拡散され、「ジーク・ハイル?? つまり、われらの時代が再び?」というコメントとともに400万回以上再生されています。

マスク氏の真意と今後の動向

マスク氏の真意は不明ですが、このジェスチャーが極右団体に利用され、彼らの活動を正当化する材料となっていることは事実です。今後、この一件がどのような影響を及ぼすのか、引き続き注視していく必要があります。 専門家の中には、著名人の行動が持つ影響力の大きさを改めて認識させられる出来事だと指摘する声も上がっています。 今後のマスク氏の発言や行動、そして社会全体の反応に注目が集まります。