世間を沸かしたバツ3の叶井俊太郎氏との結婚から14年と半年。漫画家・くらたまに降りかかったのは、夫の死と、残りの人生をどう独りで生きるかという「新たな人生設計」だった――。
夫亡き後の日々の暮らしや感じたこと、そして新たな挑戦の日々を漫画とエッセイでお届けする(漫画はエッセイの最後に)。【連載第9回】
■東京で自然と触れ合える場
妹が東京に来るとよく一緒に行く、とっておきの散歩コースがあります。
福岡育ちの私たち姉妹は、子どもの頃毎週土日は両親に連れられて野山や海、川に遊びに行っていました。春先にはつくしなど山菜をとったり、海や川では泳ぐだけではなく、魚をすくったり、釣ったり。自然に触れ合うことを習慣化してきました。
なるべく自然っぽさを感じさせてくれるところに行きたい。
歳を重ねて、子どもの頃に馴染んだ自然を再び求める気持ちが強くなってきました。でも東京で、それも都心から程近い場所で、そんなところを探すのは容易ではありません。
広い公園はありますが大抵どこもしっかり人の手が入り、雑草がわさわさ生える隙もないようなところも多いです。
そんななか、あるとき思いつきで行ってみた文京区白山にある「小石川植物園」は、人に管理された場所ではあるものの、程よく自然っぽさが残っており、私たちのお気に入りスポットになりました。
妹が福岡から来たこの日、「紅葉を見よう」と小石川植物園に行くことにしました。
でも、その前に必ず寄るところもあります。地下鉄白山駅に降り立ち、少し歩いた先の路地にある小さなうなぎ屋です。ちょうどお昼時でもあり、お腹を空かせた私たちは臙脂(えんじ)色の暖簾をくぐりました。
うなぎ大好きの妹は、「ここのうなぎが一番好き」と断言します。
■うな重とぬか漬けに舌鼓
隠れた人気店でもあるのでタイミングが悪いと入れないこともあるようで、私たちが行った日もまだ空席はあるのに、あとから来た一人客が断られていました。店主1人で回しているこの店では、注文が入ってから生きたうなぎをさばくところから始めます。






