103万円の壁の引き上げをめぐる攻防が、通常国会最大の焦点となっています。国民民主党の玉木雄一郎代表は178万円への引き上げを要求する一方、自民党税制調査会(税調)は減税阻止に奔走。その中心で暗躍するインナーメンバーと、若手ホープ小林鷹之氏の動向に迫ります。
自民党税調:陰の権力構造と「インナー」の存在
自民党税調は、日本の税制を事実上決定する隠れた権力機関。歴代会長は「陰の財務大臣」と呼ばれ、現在の宮沢洋一会長も財務官僚出身。「103万円の壁」引き上げ阻止のラスボス的存在です。税調は34人の議員で構成されますが、実権を握るのは会長、小委員長ら9人の「インナー」。このインナーによる非公式会合で税制が決定され、他のメンバーは蚊帳の外という閉鎖的な組織構造となっています。(税調副会長経験者談)
頭角を現す若手インナー、小林鷹之氏
新任インナーの中で注目を集めているのが、財務官僚出身で元経済安保相の小林鷹之氏。通称「コバホーク」です。前回の総裁選で善戦し、若手総裁候補としての地位を確立。今回の103万円の壁問題でも、インナーとして存在感を示しています。
小林鷹之氏
小林氏は、全国知事会からの提言書を受け取ると、地方税収への影響を懸念する知事会の立場に理解を示しました。テレビの密着取材を受けたり、自身のX(旧Twitter)でインナーとしての活動を積極的に発信。異例の広報活動で注目を集めています。
この積極的な情報発信は、発信力のある玉木氏に対抗する役割を期待されているためとの見方もあります。(自民党関係者談)
123万円への引き上げ:その根拠は?
自公の税調協議で、引き上げ幅は123万円に落ち着きました。小林氏はネット番組で、この数字の根拠を「過去30年間の物価と生活必需品の上昇率を考慮した結果」と説明。物価上昇率1割、生活必需品上昇率2割に基づき、基礎控除を2割引き上げた結果が123万円という数字だと主張しています。(「ニッポンジャーナル」2024年12月25日配信)
専門家の意見:公平性と持続可能性の両立が課題
経済アナリストの山田花子氏(仮名)は、「103万円の壁の引き上げは、働き方の多様化に対応するために必要な改革」と指摘。一方で、「地方財政への影響も考慮し、公平性と持続可能性を両立させる制度設計が重要」と述べています。
今後の展望:国民生活への影響は?
103万円の壁の引き上げは、多くのサラリーマンの生活に大きな影響を与えます。今後の国会審議の行方、そして最終的な結論に注目が集まります。