フジテレビ、中居正広氏騒動で経営責任問われ信頼回復へ苦闘

フジテレビで発生した中居正広氏と女性をめぐるトラブルとその後の対応について、経営陣の責任が厳しく問われています。JNNの取材に対し、文化放送の齋藤社長であり、フジ・メディアHDの社外取締役も務める人物は、臨時取締役会で経営責任と人事に関する議論が行われたことを認めました。

第三者委員会設置と経営陣への厳しい声

事態を重く見たフジテレビと親会社は、独立した第三者委員会を設置し、事実関係の究明と会社としての対応の検証に乗り出すことを決定しました。キッコーマン名誉会長であり、フジ・メディアHD社外取締役の茂木友三郎氏は、取締役会の雰囲気を「悲壮」と表現し、経営陣に対し「しっかりしなさい」と伝えたことを明かしました。経営責任は問わずとも明白だと指摘する声も上がっています。

フジテレビは来週月曜日に港社長らによる記者会見を予定していますが、前回の会見と同じメンバーでの開催に社員からは不安や怒りの声が噴出。経営陣の退陣を求める声も出ており、事態の深刻さを物語っています。

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総務大臣から初の行政指導、スポンサー離れ深刻化

放送行政を所管する村上誠一郎総務大臣は、フジテレビに対し、事実関係の早期解明と視聴者・スポンサーの信頼回復に努めるよう促しました。企業ガバナンスの問題でフジテレビに行政指導を行ったのは今回が初めてとなります。国民の信頼を損ない、民間放送事業の存立基盤である広告収入に影響を与える可能性を懸念しているとのことです。

長年広告代理店に勤務し、現在は桜美林大学准教授を務める西山守氏は、フジテレビの収益性悪化を指摘。今回の騒動を受け、少なくとも75社のスポンサー企業がCM放映をACジャパンの広告に切り替えています。

CM料金返金という異例の対応

フジテレビ社内では、ACジャパンへの差し替えに伴うCM料金の返金作業が始まっており、社員からは「地獄」との声が漏れています。通常、ACジャパンへの差し替えが発生しても広告枠は契約済みのため返金は行われません。しかし、今回はフジテレビ側に問題があるとして、異例の返金対応が行われている模様です。

フジテレビの営業役員らは広告会社に出向き、1月のAC差し替え分のキャンセル扱いと返金、2月以降のCM継続・キャンセルの選択を可能とする方針を説明しています。

4月改編期への影響と深刻な減収見込み

4月からの番組改編期に向けた番組セールスが行われる中、スポンサー企業からは今後の対応に悩む声が上がっています。千葉県も提供クレジットの削除を要請するなど、自治体からも厳しい目が向けられています。

広告関係者によると、1月~3月分のCM料金返金で200億円の減収、4月~9月期のスポンサー撤退でさらに300億円の減収になる可能性も指摘されています。視聴率回復だけでは広告収入の回復は難しい状況であり、フジテレビの信頼回復は急務となっています。

広告収入への深刻な影響

西山守氏は、今回の異例の事態がフジテレビの広告収入に深刻な影響を与える可能性を改めて強調しました。視聴率が回復しても、スポンサーの信頼を取り戻さなければ広告収入は得られないという厳しい現実が突きつけられています。

フジテレビは、この危機を乗り越え、信頼回復を図ることができるのでしょうか。今後の動向が注目されます。