4年連続でM-1決勝に進出した真空ジェシカのNumberWebインタビュー。初めて最終決戦に進み、「ピアノがデカすぎるアンジェラ・アキ」のネタで強烈なインパクトを残した。「あと3回出続けたい」「M-1がないと食っていけない」結成13年を迎える2人が語る本音。【全3回の後編/前編、中編も公開中】
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「あと3回出たい」「ラストイヤーで優勝したい」
――4年連続で順位が少しずつ上がっていっているんですよね。6位、5位、5位、そして今大会は3位と。
川北 計算が狂いましたね……。本当は今回は4位狙いだったんです。
ガク あと3回、出られるので。
川北 そうしたら3位、2位、1位で行けたんですけれども。もう、どっかで絶対、順位が下がりますからね。それが怖い。
――2位、1位、1位という可能性もあります。
川北 M-1がマジで終わります。僕らが連覇したら。
――何度も決勝に進みながらなかなか優勝できないと、中にはM-1を卒業するコンビもいますけど。
川北 僕はラストイヤーまで出続けたいですね。ラストイヤーで優勝したいです。
ガク 出続けたいのか……。僕は優勝するなら早めの方がいい。それで卒業したいです。でも僕がどうこうできることじゃないんで。
川北 僕らは出続けないと食べられないんで。
――どういうことですか?
川北 吉本の本物の漫才師たちは1回でも決勝に行けば、それで劇場出番が増えるので食っていける。劇場をたくさん持っているので。でも、僕らはニセ漫才師なので。M-1に出続けて、漫才師ぶってないとダメなんですよ。
ガク M-1の決勝とかに行って、その肩書きで学祭とか営業に呼んでもらわないと。
川北 みんながM-1を神格化してくれているんで、そこにすがりついていくしかない。僕らの逃げ場所です、M-1は。M-1くらいしか呼んでくれる番組もないですし。
「学長が怒って帰っちゃった」
――ある意味、そのセリフを言ってみたい芸人はたくさんいると思いますけど。
川北 いやいや、ほんとなんで。本番ではM-1と『マルコポロリ! 』って言いましたけど、実は『マルコポロリ! 』はそんなに呼ばれてないんです。思わず、カッコつけちゃいました。
ガク 年に1回、呼ばれるか呼ばれないかくらいなので。M-1(決勝)の4回の方が絶対、多いです。
――学祭はけっこう頻繁に行くんですか。
川北 めっちゃ行きますね。年10回以上は行きます。
――意外な気も。やはり学祭用のネタみたいなのがあるのですか。
ガク ないです。なので、すごくスベります。
川北 この前はクレームが来ました。下ネタをやったら学長さんが怒って帰っちゃったんです。
――真空ジェシカを呼ぶのなら、それくらいは覚悟してもらわないと。
川北 周りの人は励ましてくれました。
ガク 僕らが学祭に呼んでもらえるのは、学祭での評判がいいからというわけではないんです。結局、M-1なんです。
――1年で落とした評判を毎年、M-1決勝に進むことで取り戻すという豪華な回復というか、贅沢なサイクル。
川北 そうなんです、ほんとに。評判が落ちていってしまうのはしょうがないんで。
――決勝に初進出した4年前、川北さんは、あんまり忙しくならずに、なるべく狭い家でゆっくりしていたいという話をしていて。
川北 それは今も変わらないです。M-1の打ち上げで、マユリカさんは、もうとにかく休みが欲しいという話をしていて。仕事もお金もあるけど、使う時間がない、と。もう疲れ切っていたんです。だったら僕は貧乏でも休みが多い方がいいと思いました。