【ワシントン=池田慶太、エルサレム=福島利之】米国のトランプ大統領は25日、イスラエルとイスラム主義組織ハマスの戦闘に巻き込まれたパレスチナ自治区ガザの住民について、「アラブ諸国と協力し、平和に暮らせるかもしれない違う場所に住宅を建設したい」と述べた。ガザ以外の土地に強制移住させたいとの考えを示したもので、国際社会の強い反発が予想される。
トランプ氏は大統領専用機内で記者団に、ガザの現状は「文字通り解体現場のようだ」とし、「ほとんど全てが解体され、人々は死んでいる」と述べた。
トランプ氏は、ヨルダンのアブドラ国王と行った電話会談で、「ガザはひどい状況だ。パレスチナの人たちをもっと連れて行ってほしい」と伝えたと明かし、エジプトのアブドルファタハ・シシ大統領にも、26日の電話会談で同様の要請を行う考えを示した。
トランプ氏の発言を受け、イスラム主義組織ハマスは26日、「故郷から追放や移住をさせるいかなる計画も断固拒否する」との声明を出し、米国政府に対し、「パレスチナ人の権利や自由な意思に反する」として発言の撤回を求めた。