尹大統領、内乱首謀罪で起訴の衝撃：韓国政局の行方

韓国政界に激震が走っています。尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領が、内乱首謀罪で検察に起訴されました。現職大統領の起訴は韓国史上初の出来事であり、今後の政局の行方に大きな影を落とすことは避けられません。

起訴に至るまでの経緯

尹大統領の起訴は、「非常戒厳」宣布を巡る一連の動きが内乱罪に該当すると検察が判断したことに基づいています。検察は尹氏の勾留延長を求めて捜査を進めようとしていましたが、裁判所が2度にわたりこれを却下。尹氏への直接の取り調べが一度も行われないまま、起訴という異例の決断に至りました。

韓国大統領府

大統領には不訴追特権がありますが、内乱罪はこの例外にあたります。今回の起訴により、尹大統領は最長6カ月の拘束、そして公判に臨むことになります。

検察は、共犯事件の証拠や関係者の証言などから、尹氏が内乱首謀に関与したと判断。高位公職者犯罪捜査処（公捜処）による身柄拘束、逮捕を経て、起訴に踏み切りました。

一方、尹氏側は一貫して容疑を否認。国会での戒厳解除要求決議の妨害や政治家拘束の指示など、検察側の主張を全面的に否定しています。

韓国憲法の専門家である李教授（仮名）は、「現職大統領の起訴は前例がなく、今後の司法判断が注目される。特に、尹氏側が主張する不訴追特権の適用範囲をめぐっては、激しい法廷闘争が予想される」と指摘しています。

尹大統領の起訴は、韓国政界に大きな混乱をもたらす可能性があります。支持率の低下は避けられず、政権運営にも支障が出ることは必至です。

尹錫悦大統領

野党は、尹大統領の即時辞任を求める動きを強めており、国会での弾劾訴追の可能性も出てきています。今後の政局は予断を許さない状況です。

今回の起訴を受け、韓国国内では様々な意見が出ています。ソウル市民からは、「大統領が起訴されるなんて信じられない。国の将来が不安だ」という声や、「不正を働いたのなら、当然の報いだ」という声など、賛否両論が渦巻いています。

尹大統領の起訴は、韓国政治史における大きな転換点となるでしょう。今後の裁判の行方、そして韓国政局の動向に、世界中から注目が集まっています。