【ひふみんEYE】藤井聡太王将の「横綱相撲」 永瀬九段5年ぶり採用の横歩取りに、うまく対応


 藤井聡太王将(竜王、名人、王位、王座、棋王、棋聖=22)に永瀬拓矢九段(32)が挑戦する将棋の第74期王将戦7番勝負第2局が25、26の両日、京都市「伏見稲荷大社」で行われ、先手の藤井が永瀬を下し、シリーズ対戦成績を2勝0敗とした。

【写真】感想戦で頭を抱える永瀬九段

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 藤井王将の「横綱相撲」でした。永瀬九段が対藤井戦で5年ぶりに採用した横歩取りに、うまく対応していました。1手間違えると形勢が大きく傾きかねない難解な将棋でしたが、時間を惜しまず長考を重ねるタイトル戦らしい、見応えのある一戦でした。

 第1局に続いて、藤井王将は金が面目躍如でした。8筋に成り込まれた角を同金と取りました。「一番指さないし、一番指せない手」ですけど、これでバランスを保っているのですから。封じ手で放った5筋の角打ちも、次の6筋への桂の跳ね出しも大胆です。終盤、飛車が2筋に成った後に歩を打って攻めをつないだ場面といい、いかにも「聡太流」の指し手が見られました。序盤の連勝で、シリーズの流れは傾いた感じがします。

 永瀬九段が本局で唯一惜しまれるのは、終盤3筋に歩を打った局面です。首をかしげました。攻め合った方が面白かったでしょう。チャンスもあったはずですので。ここから苦しくなっていった気がします。

 とはいえ、2局とも差は紙一重。対藤井戦ではたった1手でも弱気になると、つけ込まれます。克服すれば太刀打ちできます。



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