シンガポール首相が「第3次世界大戦」警告。「米中が他国に対しどちら側につくかを迫れば…」


シンガポール国立大学で1月21日に開かれた講演会でウォン首相は、米中が世界の主導権争いをする一方、武力衝突は望んでいないと指摘。だが、シンガポールのような国が米中のどちらかの陣営に加わり、どちらかの側を選ぶことを迫られるべきではないと主張。そのような動きは「世界を第三次世界大戦に追い込む可能性がある」と警告した。

フォーチュン誌によると、ウォン氏は、南シナ海や台湾海峡のような地政学上の紛争リスクを抱える地域でも誤算が起きる可能性はあるとする。

中国はこれまで、南シナ海ほぼ全域の領有権を主張し、フィリピンやベトナムなどの東南アジア諸国との領有権をめぐる対立につながっている。近年、中国はそのような海域に人工島を建設したり、競合国の船舶を妨害したりして自国の領有権を確立しようとしている。

米国は、特に同盟国であるフィリピンに対する中国の南シナ海での行動を頻繁に批判。同時に米海軍は南シナ海で航行の自由を強調し、軍事演習を実施。中国の反発を招いている。

ほとんどの東南アジア諸国は非同盟政策を堅持し、米中両国と良好な関係を維持しようとしてきた。この地域のいくつかの国は米国と強い安全保障関係を維持しているが、それらの国にとっても中国はこの地域最大の貿易相手国でもある。

ウォン氏は米中関係が「第三次世界大戦」を引き起こすほど悪化する可能性は低いと信じている、と発言。だが、「もし米国が中国と断交するようなことになれば、米国の経済と国民にとって非常に大きな損害となる」と指摘。「米国が輸入しているものの多くは中国からで、現段階で完全なデカップリングが起きるとは思えない」と続けた。

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