1月20日に就任したアメリカのトランプ大統領。影響が懸念されるのが、輸入品への関税をめぐる政策だ。アメリカへの輸出を手掛ける新潟県内の関係者もその動向を注視している。新潟米を海外に輸出している企業を取材した。
“日本米”アメリカでの需要増
コメの卸売りや加工などを行う新潟県長岡市のエコ・ライス新潟。
コメが積まれている倉庫には、海外の国旗が掲げられていた。
この企業では、県産米を中心に現在12か国への輸出を展開していて、3年前からはアメリカ向けにも販売を始めた。
豊永有代表は「おいしい日本料理が分かる外国人、アメリカ人が増えてきている。カリフォルニア米もおいしいが、炊いた翌日には固くなってしまう。日本米を使いたいという人がすごく多かった」とアメリカ向けの輸出を始めた背景を語る。
関税引き上げを懸念「コメ自体高くなっているのに…」
アメリカ向けの輸出が軌道に乗り始めたタイミングで1月20日に就任したトランプ大統領。
さっそく、カナダやメキシコ・中国に対し、関税を引き上げる考えを表明したが、さらに全世界からの輸入品に一律で関税を課すことも示唆している。
県によると、2023年度アメリカに輸出された県産米は約900tで、香港やタイなどに続き、4番目に多い輸出先だった。
しかし、関税の引き上げにより、現地での販売価格が上昇すれば大きな影響が懸念される。
豊永代表は「コメ自体が高くなっているが、そこに関税が上乗せされてしまうと…コメは日々食べるものなので、アメリカの消費者も手が出なくなる。急ブレーキになると思う」と話す。
アメリカ以外の輸出強化も…「食品関係は除外してほしい」
また、豊永代表は、品薄や生産コストの上昇で、現在コメそのものが高騰する中、関税の引き上げはダブルパンチとなり、アメリカでの日本のコメ離れが進みかねないと憂慮する。
こうした事態への備えとして、アメリカ以外の国への輸出を強化すべく営業活動を展開しているというが、やはり最も望むのは、食品の関税引き上げの除外だ。
「正直、食品関係は関税引き上げから除外してほしい。すごく厳しい」
こう話す豊永代表は、トランプ氏の言動を気にする日々を送っている。
(NST新潟総合テレビ)
NST新潟総合テレビ