高学歴コンビGパンパンダ、ファン贈り物「捨てる」発言が炎上騒動へ – 一平が謝罪、問われる配慮

2023年10月23日、ソーシャルメディアプラットフォームX(旧Twitter)上である投稿が大きな波紋を呼んだ。ファンの一人が、「ライブのコンセプト上仕方ないことなのは重々承知しているんですが、自分がプレゼントした服を皆の前で『捨てて良いやつだ』と言われたり、『500円でお客さんに売っても良い』『いや0円で良いくらいかも』って言われるのすごく心が抉られてしまいました…」と心境を吐露したことで、お笑いコンビGパンパンダに批判の声が集中。ファンへの配慮を欠いた行動として、世間の注目を集める炎上騒動へと発展した。この出来事は、芸人とファンの関係性、そしてSNS時代における表現の自由と責任について、改めて考えさせるものとなっている。

ライブ内容とファンの衝撃:「服捨て企画」が引き起こした波紋

騒動の発端となったのは、10月21日に東京・下北沢のシアターミネルヴァで開催されたGパンパンダのライブ『一平の服捨てライブ』だ。この企画は、メンバーである一平の私服が「ダサい」という設定のもと、彼が所有する服を全て会場に持ち込み、査定の後に捨てるというパフォーマンスだった。しかし、その服の中には、会場にいたファンがプレゼントしたものが含まれており、目の前で自身の贈り物が「捨てて良いやつ」「0円で良いくらい」と扱われたことに、投稿者のファンは深い心の傷を負ったという。小さな劇場で行われたライブだったため、ファンにとってはまさに「目の前」での出来事であり、そのショックは計り知れないものがあったと推察される。

ネット上の厳しい声と「カオス状態」のX

ファンの投稿が拡散されると、X上ではGパンパンダの行為に対し、瞬く間に厳しい批判が殺到した。多くのユーザーは、ファンからの「気持ちのこもった贈り物」をエンターテイメントとして消費し、さらにはそれを貶めるような表現をしたことへの嫌悪感を表明。「芸人なら面白く服を捨てろ。面白くできないならそんなライブを企画するな」といった、プロとしての面白さを求める声や、「時間とお金をかけてプレゼントを選んで、大切に手間をかけて持って行って渡せた洋服たちを目の前で笑って捨てられるの本当にきつくて苦しい」と、ファンの心情に寄り添ったコメントが相次いだ。さらに、「知らない芸人」や「こんなの売れない」といった、炎上に便乗した無関係な野次馬による誹謗中傷も多数書き込まれ、Xは一時「カオス状態」を呈した。

発端のファン投稿とコンビの背景

騒動が拡大する中、発端となったファンの投稿はその後削除された。ファンは、服を捨てた当事者である一平から誠実な謝罪のDMを受け取ったことを明かし、「私のツイートがきっかけでご本人様を傷つけてしまうというのは本意ではなく心が痛むので、ご本人様への誹謗中傷はどうかお控えください」と、騒動の沈静化を願うメッセージを発信した。

Gパンパンダは、筑波大学附属中学校・高等学校の同級生である星野光樹と一平が組んだお笑いコンビだ。共に早稲田大学に進学し、在学中は落語研究会と早稲田大学お笑い工房LUDOに所属して活動。一度は解散しそれぞれが就職したが、M-1グランプリの復活を機に2016年にワタナベコメディスクールに入学し、翌年デビューを果たした。メンバーの星野光樹は20歳で公認会計士に一発合格、税理士資格も保有する「士業芸人」として知られる。一方の一平は、高IQ集団「JAPAN MENSA」の会員であった(現在は資格失効)。高学歴であることでも知られ、小劇場系のライブシーンではコント師として人気を博している。

お笑いコンビGパンパンダのメンバー、一平と星野光樹が並び立つ公式プロフィール写真。ファンからの贈り物「捨てる」発言で炎上した一平に注目が集まる。お笑いコンビGパンパンダのメンバー、一平と星野光樹が並び立つ公式プロフィール写真。ファンからの贈り物「捨てる」発言で炎上した一平に注目が集まる。

Gパンパンダ一平、誠実な謝罪を表明

一連の騒動を受け、Gパンパンダの一平は自身のXを更新し、正式に謝罪した。彼は「このたびは私の軽率な行動により、応援してくださる方を傷つけてしまい、大変申し訳ございません。自分の言動を改め、またお客様に楽しんでいただけるよう精一杯努めます」とポスト。さらに公開された謝罪文書では、「昨日行ったライブの中で、私の想像力と配慮が足らず、お客さまに悲しい思いをさせてしまったことを深くお詫び申し上げます。この件についてポストされたご本人にもお詫びのご連絡をさせていただきました。また、日頃から応援してくださる皆さまのお気持ちを傷つける言動をしてしまい、誠に申し訳ございませんでした。私自身の言動や行動を改め、皆さまに心から楽しんでいただけるよう努めてまいります」と述べ、自身の配慮不足を認め、ファンへの深い謝罪の意を表明した。

今後の展望と芸人としての「節度」

Gパンパンダは、M-1グランプリやキングオブコントといった大規模な賞レースでの優勝経験はないものの、2018年にはNHK新人お笑い大賞で優勝するなど、実力と将来性が期待されるコンビだ。現在30代前半、芸歴8年目という彼らにとって、今回の炎上はイメージダウンに繋がりかねない痛手となった。しかし、ファンの訴えに対し迅速かつ誠実な謝罪を行ったことは、事態の沈静化に繋がり、評価されるべき点だろう。

この騒動は、芸人にとってファンは単なる観客ではなく、支えとなる大切な存在であるという認識を改めて促すものとなった。エンターテイメントとして企画されたものであっても、そこには受け手の感情を尊重する「節度」が求められる。今回の経験を教訓とし、今後 Gパンパンダがファンをさらに大切にし、より深く配慮したネタ作りやパフォーマンスを追求していくことが、彼らの再起とさらなる飛躍に繋がる鍵となるだろう。


参考文献: