【必見】自己肯定感が爆上がりする「毎日のルール」ベスト1


● 自分に敬意を抱く

では、わたしたちの本質とは何か?
自由な人として、高潔な人として、自分を敬う人として、ふるまうことである。(エピクテトス『語録』)
――『STOIC 人生の教科書ストイシズム』より
● 自分を「後回し」にしていないか?

 年長者を敬いなさい、その国や土地の文化を敬いなさい、神仏を敬いなさい、自然を敬いなさい……。数多くの敬う対象があることは指摘されてきたが、「自分を敬いなさい」と言われたことはなかった。

 「自分を大切にしなさい」は、よくある。「ご自愛ください」はもっとよくある(とくにメールの文末で使われる)。

 しかし、「自分を敬う」という発想はなかった。

 私は自分を敬っているかと聞かれたら、断じてノーだ。

 自分の部屋は乱雑でいい、持ち物は古くてもいい、食事も適当でいい、自分のことは後回しが基本。敬う人に対する態度ではない。

● 「自分に厳しい」だけではない

 「自分を敬う」だなんて斬新なことを言うのは誰かと見てみると、なんと2000年以上も前の哲学者であった。

 しかも、エピクテトスはストア派の代表的な哲学者だ。ここでまた驚く。自分に厳しいイメージのある「ストア哲学」だと?

 ストア哲学は古代ギリシャでゼノンによって始められた。

 「ストア派のゼノン」は、高校の教科書にあったから覚えている。

 ただ、ソクラテスやプラトン、アリストテレス、ピタゴラスらに比べてメジャーではない(私の中で)。というのも、ストア哲学の特徴とされている「禁欲主義」を「ああ、自分の欲求を抑えて聖人君子のように生きろというんだな。立派だけど面白くなさそうなんだよなー」と表面的にとらえ、教科書で読んでもすぐに忘れ去っているからだ(個人的感想です)。

 「ストイック」という言葉は、ストイシズム(ストア哲学)からきているが、現代では「自分に厳しい」という意味で使われている。

 しかし、本質はもっと深いところにありそうである。

● 毎日のルール「自分で自分を敬え」

 本書では、ストイシズムについてこう説明している箇所がある。

ストイシズムは、私たちを内面の豊かさに引き戻し、自分でコントロールできることに意識を向かわせてくれる。その意味で、ほかの哲学とはまったく違ったかたちで、人生の目的や生き方を理解させてくれる。
――『STOIC 人生の教科書ストイシズム』より
 ストア哲学者は、富や権力、名声、他人がどう思うかなど自分の力でコントロールできないことに執着するのをやめ、コントロールできることに集中しなさいと説いている。

 自分自身の内面的な素晴らしさを高めることこそ、よい人生を送るために大切なのだという。それには当然、節制も必要になるが、最高の自分になるためである。

 そうしてみると、「自分を敬う」という考え方がわかってくる。

 人のために自分を犠牲にしたり、自分を卑下したりするのは、ストイシズムではない。

 かといって、自分を甘やかし、贅沢させろというのでもない。自分自身を敬う価値のある人として認識し、ふるまうことが大事なのだ。

 (本原稿は、ブリタニー・ポラット著『STOIC 人生の教科書ストイシズム』〈花塚恵訳〉に関連した書き下ろし記事です)

小川晶子



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