ホワイトハウス報道官、ガザ地区へのコンドーム配布費用5000万ドルを「無駄遣い」と非難。対外支援事業への新規資金拠出凍結の正当化材料として主張。
米国ホワイトハウスは、パレスチナ自治区ガザ地区へのコンドーム配布に5000万ドル(約77億円)の予算が計上されていたことを「無駄遣い」と批判し、対外支援事業への新規資金拠出凍結の正当化に利用しました。この主張は、キャロライン・レビット報道官の初記者会見で明らかにされました。
ホワイトハウス、ガザ地区へのコンドーム配布費用に疑問符
レビット報道官は、実業家イーロン・マスク氏が率いる政府効率化省がこの「無駄遣い」を発見したと説明。「ガザでのコンドーム配布に5000万ドルもの血税が使われようとしていた。ばかげた無駄遣いだ」と強く非難しました。
altキャロライン・レビット報道官、ホワイトハウスでの定例記者会見にて、対外支援の無駄遣い削減を強調。
しかし、具体的な証拠や詳細な説明は提供されず、AFP通信も独自検証に至っていません。米国ではコンドームの価格は1個1ドル未満であり、大量購入でさらに安価になります。ガザ地区の人口は約200万人ですが、イスラエルとの紛争で深刻な被害を受けている現状を踏まえると、5000万ドルという金額の妥当性には疑問が残ります。
WHOへの拠出額も問題視、トランプ政権の援助政策見直し
レビット報道官は、トランプ前大統領が世界保健機関(WHO)からの脱退を表明する直前、米国はWHOに3700万ドル(約57億円)を拠出しようとしていたことも指摘しました。
トランプ前大統領は就任直後、90日間の対外援助停止を指示。中絶、トランスジェンダーの権利、多様性プログラムなどへの資金提供について、政権の政策との整合性を確認するための見直しを表明していました。
対外支援凍結への国際的な懸念
マルコ・ルビオ国務長官は、エジプトとイスラエルへの緊急食糧・軍事援助を除き、ほぼすべての対外支援支出を凍結していると発表。この決定に対し、国連のアントニオ・グテレス事務総長は懸念を表明しています。政府開発援助(ODA)拠出額で世界トップの米国の支援凍結は、国際社会に大きな影響を与える可能性があります。
ガザ地区への人道支援の必要性と、米国政府の財政効率化のバランスをどのように取っていくのか、今後の動向が注目されます。