【台風19号】浸水被害の浄水場、大半が「想定区域」内に 断水の原因、対策の遅れ露呈


台風19号による大雨などの影響で、浸水被害を受けた浄水場・取水場15施設のうち、14施設が各自治体のハザードマップで「浸水想定区域」とされる場所にあったことが2日、産経新聞の取材で分かった。1メートル未満の浸水で電気系統が損傷したケースも目立ち、断水被害のほぼ半数がこうした原因で発生。昨年7月の西日本豪雨でも水道施設の無防備が指摘されたが、改めて対策の遅れが露呈した。

台風19号では14都県で最大16万6152戸が断水。浄水場・取水場の浸水被害は福島県の田村市、いわき市、茨城県の常陸太田市、常陸大宮市、大子町、栃木県の那須烏山市、栃木市の7市町15施設に及び、8万1298戸に影響した。田村市以外の施設はいずれも浸水想定区域内だった。

いわき市では市内最大能力を誇る「平浄水場」に1・25メートルの深さまで泥水が流れ込み、電気系統の機器が水没。一時4万5400戸が断水、10月27日の復旧まで約2週間かかった。ハザードマップでは2メートル以上の浸水が想定されていたが、防水扉設置などの対策が取られていなかった。市水道局は「これまでの経験上、住宅地を越えて浄水場まで水がくるとは考えられなかった。耐震化や老朽化対策で水道管の更新に予算が割かれ、浸水対策に費用が回らなかった」と説明する。

関係者によると、施設の特性上、浄水場・取水場は川の近くに建てられることが多く、浸水被害を受けやすい環境にある。

西日本豪雨では18道府県の約26万4千戸が断水したことを受け、厚生労働省が全国の浄水場・取水場など9864施設を調査した結果、26・6%が浸水想定区域にあり、うち81・9%の2150施設は浸水対策が「なし」だったという。

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