20日に投開票が予定されている参議院選挙では、新興政党である参政党の躍進がしばしば報じられ、注目を集めている。特に、神谷宗幣代表による強い主張や発言が、支持拡大にどのように影響しているのかが議論されている。ネットメディア研究家の分析によれば、参政党はSNSの特性を熟知しており、その明確なスタンスを示すことで、メディアの提供するボートマッチなどのツールでも存在感を増すことに成功しているという。
ネット親和性の高い新興政党
参院選の投開票日が近づくにつれ、各政党は支持獲得のため活発な論戦を展開している。2024年の衆議院選挙で自民・公明両党が議席を減らし「ねじれ国会」の可能性が注目される中、新興政党の動向が話題の中心となっている。各種世論調査の結果からは、前回の総選挙で躍進した国民民主党に続き、今回の参院選では参政党が議席を伸ばす可能性が指摘されている。両党に共通するのは、インターネット上の世論との高い親和性を持っている点だ。長年SNSユーザーの動向を観察してきたネットメディア編集者の視点から見ると、近年の参政党への関心の高まりには、一定の合理性が見られる。
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参政党とは?その政策と主張
参政党は、元大阪府吹田市議の神谷宗幣氏(現党代表)らが中心となり2020年に結党された。2022年の参院選で神谷氏が初当選を果たし、国政政党となった。公式サイトによると、現在、国会議員5名、都道府県議7名、市区町村議143名を擁し、合計155名の議員が所属している。党の主要な特徴は、強い保守思想に基づいた政策提言にある。2025年の参院選では「日本人ファースト」をスローガンに掲げ、具体的な政策として、減税や子どもへの給付金支給などに加え、「行きすぎた外国人受け入れへの反対」「食料自給率100%の達成」「オーガニック給食の推進」などを提唱している。
また、憲法については、「改憲」(既存の憲法を改正)ではなく「創憲」(新しい憲法を創造)という独自の立場を打ち出している。本年5月には、「国は、主権を有し、独立して自ら決定する権限を有する」(第4条)といった条文を含む「新日本憲法(構想案)」を発表し、党の基本理念を明確に示している。
「過激発言」とSNS戦略
参院選の選挙運動が伝えられるにつれて、参政党はメディア露出を増やし、その存在感を高めている。神谷代表をはじめとする党幹部の発言は、SNS上で熱心な支持者からの応援投稿を生む一方で、批判的な人々からの激しいバッシングも引き起こしており、活発な議論が展開されている。
2025年参院選公示、東京銀座の街頭で支持を訴える参政党代表・神谷宗幣氏
このような「過激」とも評される明確な主張は、良くも悪くも強い関心を引きつけ、インターネット上での拡散力を高める要因となっている。ネットメディア研究家は、参政党がSNSにおける情報の広がり方を理解しており、その断定的な物言いが、有権者が政党のスタンスを比較検討する際に用いるボートマッチのようなツールにおいても、他の政党との差別化につながり、結果として注目度向上に成功していると分析している。
結論
参院選に向けて注目度が増している参政党の躍進予測は、その明確な保守的主張と、インターネット、特にSNSを効果的に活用した戦略に起因すると考えられる。神谷代表の強いメッセージは賛否両論を巻き起こし、SNS上で活発な議論を生むことで、党の認知度と存在感を高めている。このようなオンラインでの訴求力の高さが、今回の参院選における参政党の鍵となる要素の一つと言えるだろう。
参考文献
https://news.yahoo.co.jp/articles/e70bd6d42dbf931a622ff4500c599403c81d1291