石破首相、現金給付「1回に限らず」 物価高対策で継続の可能性示唆

石破茂首相は10日出演したBSフジの番組で、物価高対策としての国民一人当たり2万円の現金給付について「1回に限らず」と述べ、継続の可能性を示唆した。この発言はSNSのXでトレンド入りするなど反響を呼んでいる。自民党の参院選公約の柱の一つである現金給付を巡っては、「ばらまき」との批判や世論調査での厳しい評価がある中で、その継続に言及した形だ。

BSフジの番組で現金給付について語る石破茂首相BSフジの番組で現金給付について語る石破茂首相

「ばらまき」批判とネット上の声

参院選を前にした自民党の現金給付公約に対して、野党からは「ばらまき」との批判が強く、各社の世論調査でも「評価しない」という声が多数を占めている。石破首相の今回の「1回に限らず」という発言を受け、Xなどのネット上では「では4万円を」「社会保険料下げて」「まだばらまきのイメージから抜けられてない」「選挙対策の場当たり発言」「票目当てか」といった、懐疑的あるいは皮肉な意見が多く見られた。

物価高対策としての現金給付の理由

石破首相は、物価高対策として現金給付を選択した理由について、消費税減税などが「法律を通してシステムを変え、下手したら1年かかる」のに対し、困っている人々に「早くやらなきゃいかん」との認識を示した。給付を「いつまで続けるかは申し上げない」としつつも、1回限りではない可能性を改めて強調した。

賃金上昇と物価上昇の目標

番組MCから給付を「今年限りか、賃金上昇が物価上昇に追いつくまで毎年か」と問われると、石破首相は「賃金上昇が物価上昇を上回ることを目指すので、いつまでとかそんなことは申しません」と回答。コメやガソリン価格の下落に触れながら、物価上昇を抑える手立ても講じ、「賃金がきちんと上昇していけば物価上昇を賃金上昇が上回ることになる」との見通しを示した。その上で、「(給付を)いつまで続けるとかそんなことは申し上げません。賃金上昇を必ずやるってこと」と述べ、具体的な期限は示さず、賃金上昇の実現に注力する姿勢を強調した。

まとめ:継続の可能性と今後の焦点

石破首相が現金給付の継続に言及したことは、目先の物価高対策としての即効性を重視する姿勢を示す一方、参院選前の公約への批判や国民の不安が根強い中で、今後の政策の方向性や財源を巡る議論をさらに深めるものと言える。賃金上昇が物価上昇を上回る目標の達成時期と、それまでの支援策のあり方が、引き続き注目される焦点となるだろう。

出典

https://news.yahoo.co.jp/articles/27265ca7289917db7dca412118e05837d60cc4d4