柯潔九段、韓国囲碁大会での反則負けで波紋 中国で擁護の声、日韓関係にも影響か?

韓国で開催された囲碁の国際大会で、中国のトップ棋士である柯潔九段が反則負けを喫し、中国国内で大きな波紋を広げている。この騒動は、日韓関係にも微妙な影を落とす可能性がある。一体何が起きたのか、そして今後の影響はどうなるのか、詳しく見ていこう。

柯潔九段、反則負けの経緯

2024年1月23日に行われた「第29回LG杯朝鮮日報棋王戦」決勝で、柯潔九段は韓国の卞相壹九段と対戦。しかし、対局中に「取った石の管理規定」に違反したとして反則負けとなった。この規定は、取った石を指定の碁笥の蓋に保管することを義務付けているもの。柯潔九段は第2局、第3局でも同様のミスを繰り返し、累積警告により敗北が確定した。

中国の囲碁棋士、柯潔九段中国の囲碁棋士、柯潔九段

柯潔九段は審判の警告を無視し、最終的には棄権して対局場を去った。対局中は大声を上げたり、ジェスチャーで抗議する姿も見られたという。 柯潔九段はその後、個人配信で涙ながらに「韓国で侮辱を受けた」と訴え、「食事も取れず、眠ることもできない。絶対に(韓国に)妥協しない」と強い言葉で韓国側を非難した。

中国国内で高まる柯潔擁護の声、日韓関係への影響は?

この騒動を受け、中国国内では柯潔九段を擁護する声が一気に高まった。中国囲碁界の重鎮である聶衛平九段も柯潔九段を支持。中国棋院は、自国の囲碁リーグで韓国人棋士を含む外国人棋士の出場を禁止する措置をとった。 一部では、「規則自体が不合理だ」「韓国はスポーツマンシップに欠ける」といった批判の声も上がっている。

この騒動は、日韓関係にも影響を及ぼす可能性がある。 中国と韓国の対立が深まれば、東アジア地域の政治・経済に不安定要素をもたらす可能性がある。日本は、中国と韓国の双方と良好な関係を維持する必要があるため、今後の動向を注視していく必要があるだろう。 専門家の中には、「今回の件は、日中韓の文化交流におけるルールやマナーの違いが浮き彫りになった事例と言えるだろう」と指摘する声もある。

柯潔九段、「9冠達成」を主張

柯潔九段は、自身のSNSプロフィールを「世界囲碁優勝9回」に変更した。実際の優勝回数は8回だが、今回のLG杯での敗北を「無効」と主張する意図が込められているとみられる。中国囲碁協会も「LG杯の審判判定は不適切であり、受け入れられない」と公式声明を発表した。「柯潔九段の9冠達成」というキーワードは、中国のSNSで数百万件以上検索されるなど、大きな注目を集めている。

韓国棋院が謝罪、事態の鎮静化図る

事態の深刻化を受け、韓国棋院は28日に公式謝罪文を発表。「今回の件で韓中両国の信頼が損なわれないことを願う。同じことが再発しないように努める」とコメントした。 しかし、中国側の反応は冷ややかで、騒動の鎮静化にはまだ時間がかかりそうだ。 今後の展開が注目される。