【秋の褒章・神奈川】藍綬褒章 川崎市の保護司 平岡順子さん





藍綬褒章を受章した保護司の平岡順子さん=10月25日、川崎市

 さまざまな分野で功績をあげた人たちに贈られる秋の褒章の受章者が発表され、県内からは紫綬褒章=1人▽紅綬褒章=1人▽緑綬褒章=2人▽黄綬褒章=12人▽藍綬褒章=35人-の計51人が選ばれた。発令は3日付。発表を受けて、この中から長年にわたる保護司としての活動が認められ、藍綬褒章(更生保護功績)を受章した平岡順子さん(75)=川崎市川崎区=にこれまでの足跡を聞いた。

 20年以上にわたる保護司生活のなかで、延べ30人以上と接してきた。対象者は犯罪などによって保護観察を受けている人たち。月に2度ほど、自宅で面会する。10分程度で終わることもあれば、1時間に及ぶこともあるという。

 「多くが10代後半から40代でした。たまたま罪を犯してしまったような人、とても賢い人、さまざまな人がいました」と振り返る。根底にあったのは「少しでも多くの人の更生の助けになることができれば」という思いだ。「再犯防止」を念頭に、多くの“人生”を見つめてきた。

 対象者には、「母のような存在でありたいと考えてきた」という。優しいまなざしで接し、気持ちに寄り添うことで心を開いてもらうことを心がけてきた。ただ、「再犯防止は口でいうほど簡単ではない。どうしても繰り返してしまう人もいる」と嘆息をつく。

 話をどう引き出すか

 1人との付き合いは、数カ月程度で終わることもあれば4、5年の長期に及ぶこともある。2、3人を並行して担当した時期もあった。そんななか、苦労した相手は、なかなか話したがらない人だった。心を閉ざしたままの人から、話をどう引き出すかにいつも腐心したという。「何かを話してもらわないと始まらない。悩み相談を受けるぐらいの間柄になったら、それは成功といえますね」と振り返る。

 時には、心の通じ合いが生まれることもある。「(過去に担当した人に)街のなかで偶然出合い、向こうから声をかけてもらったときは、とてもうれしかった」と目を細める。

 保護司の仕事を持ちかけられたのは平成8年。認定に向け、懸命に勉強するなかで、「当初はとんでもない仕事を引き受けてしまったと感じた」という。

 駆け出しのころは、「さじ加減」が分からず“失敗”したこともある。更生させたい一心で、対象者の住む寮に押しかけ、面会を求めたのだ。保護観察所職員に「『そこまでやらなくていい』とたしなめられました」といい、「いまでは懐かしい思い出です」と笑う。

 自分自身の糧に

 それから20年以上。「悩まされることもあったが、続けてきてよかったとつくづく思う」と感慨は深い。「いろいろな人生を見て、いろいろな人とともに歩んできたことが、自分自身の糧にもなりました」と話す。

 今回の受章には、「本当に思いがけず、この上ない喜びです。こつこつ地道にやってきたことが認められたことがうれしい」と表情は晴れやかで、「受章を機にますます精進したい」と意気込んでいる。

 ただ、来年には定年を迎え、保護司の道を退く。プライベートでは華道、洋裁、フラダンス、大正琴など多彩な趣味を持ち、「忙しい日々を終えて、趣味に没頭できるようになることが、いまから楽しみです」と笑顔を見せる。

 「夫婦仲良く暮らしていけたら幸せです。時間に余裕ができたら、どこか温泉旅行にでも出かけたい」と目を輝かせた。



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