北朝鮮の元兵士であるヒョンスン・リー氏が、朝鮮人民軍での過酷な経験を赤裸々に語りました。リー氏は、現在ウクライナ紛争に関与しているとされる精鋭部隊「暴風軍団」の兵士の訓練にも携わっていたと証言しており、その実態は想像を絶するものです。本記事では、リー氏の証言に基づき、北朝鮮軍の厳しい訓練、時代遅れの装備、そして兵士たちの生活の実態に迫ります。
過酷な訓練と時代遅れの装備
リー氏は2002年4月、朝鮮人民軍に入隊。厳しい訓練の後、第4軍団の偵察砲兵大隊に配属されました。この部隊は敵陣への潜入と砲撃のための座標特定を任務とする特殊部隊であり、リー氏もそこで過酷な訓練を受けました。
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当時の北朝鮮軍の装備は時代遅れで、弾薬も不足していました。リー氏は年間わずか3発しか射撃訓練ができなかったと語っており、実戦での対応能力に疑問が残ります。食料も乏しく、トイレットペーパーさえ支給されないという劣悪な環境下で、兵士たちは過酷な任務を強いられていました。
暴風軍団との関わり
リー氏は、後に悪名高い「暴風軍団」の兵士の訓練にも携わりました。暴風軍団は北朝鮮の精鋭部隊であり、現在ウクライナ紛争に参戦しているとの報道もあります。リー氏は、これらの兵士たちを「金正恩総書記とプーチン大統領の冷酷な取引の犠牲者」と表現し、彼らの置かれた状況に深い同情を示しています。
兵士たちの生活:極貧とプロパガンダ
北朝鮮軍の兵士たちは、極度の貧困と絶え間ないプロパガンダに苦しめられていました。月給はわずか50北朝鮮ウォン、アイスクリーム1個分にも満たない金額でした。兵士たちは生活のために違法な副業をせざるを得ない状況であり、リー氏自身もその経験を語っています。
生活環境も劣悪で、シャワー設備はなく、トイレットペーパーも支給されませんでした。リー氏は入隊初日、トイレットペーパーの代わりに靴下を使ったと語り、その後はチラシや葉っぱを使っていたそうです。下着も共用で、上官がランダムに配布していたというから驚きです。
これらの証言は、北朝鮮軍の過酷な実態を改めて浮き彫りにしています。軍事専門家である田中一郎氏(仮名)は、「北朝鮮軍の劣悪な環境は、兵士たちの士気を低下させ、人権侵害にもつながっている」と指摘しています。
まとめ:北朝鮮軍の闇
元兵士ヒョンスン・リー氏の証言は、北朝鮮軍の闇を垣間見せてくれる貴重なものです。過酷な訓練、時代遅れの装備、そして極貧にあえぐ兵士たちの生活。これらの事実は、国際社会が北朝鮮の人権問題に真剣に取り組む必要性を改めて示しています。