極右勢力内紛激化!尹大統領支持派「光化門派」vs「汝矣島派」の泥沼抗争

尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の支持を表明してきた極右勢力が、ここにきて内部対立を深めている。ソウル西部地裁乱入事件や尹大統領の拘束起訴請求をきっかけに、互いを非難しあう事態へと発展。「光化門(クァンファムン)派」と「汝矣島(ヨイド)派」に分裂し、陰謀論を駆使した罵り合いを繰り広げている。これまで共通の敵を設定することで結束を維持してきた彼らが、なぜ今、内輪もめを始めたのだろうか。

集会場所が対立の火種に?「光化門派」vs「汝矣島派」とは

週末に行われる集会の開催場所によって、「光化門派」と「汝矣島派」という二つの派閥が形成されている。愛第一教会のチョン・グァンフン牧師やYouTubeチャンネル「神の一手」を運営するシン・ヘシク氏などが「光化門派」を代表する人物。一方、「汝矣島派」には、釜山のセゲロ教会のソン・ヒョンボ牧師やチョン・ハンギル講師、YouTuberのグラウンドC氏などが属している。

きっかけはチョン牧師捜査への疑惑?陰謀論が拡散

両派の対立が表面化したのは、シン・ヘシク氏がチョン・グァンフン牧師に対する警察捜査について、「汝矣島派によるチョン牧師殺害計画」という疑惑をYouTubeで配信したことがきっかけだ。ソン・ヒョンボ牧師がチョン牧師に脅迫めいたメールを送信したと主張し、警察とソン牧師が共謀していると示唆したのだ。この発言は瞬く間に拡散し、両派支持者の間で激しい非難の応酬が始まった。

altalt画像:ソウル西部地裁前で極右ユーチューバーによる集会の様子(イメージ)

ユーチューバー同士の対立激化!金儲け、政界進出の思惑も?

互いを「YouTubeで金儲けをしている」「政界進出を狙っている」などと非難する声も上がっている。例えば、最近尹大統領支持を表明し、登録者数が急増したチョン・ハンギル講師に対しては、「光化門派」から「金儲けのために極右陣営を分裂させている」と批判が集中。一方、「汝矣島派」はチョン講師を擁護し、「人気が出たことで嫉妬されている」と反論するなど、対立は泥沼化している。

集会離脱を宣言するユーチューバーも…混乱に拍車

一部の極右系ユーチューバーは、こうした対立の激化を受けて集会からの離脱を宣言。「他のユーチューバーに責任を転嫁するつもりはない」と述べ、現状への失望感を露わにした。また、別のユーチューバーも「非難が殺到しているため、集会の支援を中止する」と表明。混乱はさらに深まっている。

altalt画像:集会で演説する極右ユーチューバー(イメージ)

専門家の見解:陰謀論と誹謗中傷の連鎖

西江大学コミュニケーション学部のユ・ヒョンジェ教授は、この状況について「極右陣営は、常に誰かを非難することで支持を集めてきた」と指摘。当初は野党や司法を批判していたが、ここにきて内部批判へと矛先が向かったと分析している。まるで魔女狩りのように、常に敵を作り出すことで勢力を拡大してきた彼らの手法が、ついに内部崩壊へとつながったと言えるだろう。

支持基盤の弱体化も懸念…今後の動向に注目

こうした内紛は、尹大統領の支持基盤の弱体化につながる可能性もある。今後の極右勢力の動向、そして尹政権への影響に注目が集まる。