将棋界の若き王者、藤井聡太棋王(竜王・名人・王位・王座・王将・棋聖)に、増田康宏八段が挑む第50期棋王戦コナミグループ杯五番勝負の第1局が2月2日、高知市の「文化プラザかるぽーと」にて行われました。タイトル戦初登場となる増田八段は善戦しましたが、藤井棋王の巧みな指し回しにより惜敗。次局以降での巻き返しに期待がかかります。
棋王戦第1局、熱戦の模様
対局は午前9時に開始。角換わりから複雑な中盤戦へと進み、徐々に藤井棋王が優勢を築いていきました。増田八段も的確な対応で食い下がりましたが、最後は藤井棋王の鋭い攻めに屈し、タイトル戦初勝利はお預けとなりました。
高知市「文化プラザかるぽーと」で対局する藤井聡太棋王と増田康宏八段
増田八段は桂馬を得ることに成功するなど、序盤から中盤にかけては互角の展開を見せました。しかし、藤井棋王の堅固な陣形と的確な攻めに苦しみ、終盤には差を広げられました。「最後に差を感じました」と増田八段は悔しさをにじませました。
藤井聡太棋王、盤石の戦いぶり
これまで、藤井棋王に挑戦したタイトル戦初登場の棋士は、出口若武六段(叡王戦)、佐々木大地七段(棋聖戦)、伊藤匠七段(竜王戦)、佐々木勇気八段(竜王戦)と、いずれも初戦敗退という結果でした。増田八段にも大きな期待が寄せられていましたが、藤井棋王の壁は厚く、初白星獲得とはなりませんでした。
増田八段は過去に藤井棋王と7回対戦し、1勝6敗と分が悪いものの、朝日杯準々決勝では2度に渡り激戦を繰り広げています。また、今年度は名人戦挑戦権を争うA級順位戦に初参加し、5勝3敗と好成績を残しており、藤井棋王も「充実されている」と警戒していました。
増田八段、次局での雪辱に燃える
敗れはしたものの、中盤までは互角の戦いを見せた増田八段。「集中して対局できました。中盤から終盤にかけて差を感じたので、その差を埋めたい」と語り、次局での雪辱を誓いました。第2局は2月22日、金沢市の「北國新聞会館」で行われます。先手番となる増田八段の巻き返しに期待がかかります。
増田康宏八段、投了の瞬間
将棋界の頂点に君臨する藤井聡太棋王と、実力派棋士として知られる増田康宏八段。二人の熱戦から目が離せません。