片桐悠人さん、故障がちで3年生から裏方に
1月2、3日の箱根駅伝で総合2連覇を飾った青山学院大では、長野市出身の4年生片桐悠人(ゆうと)さん(22)が主務としてチームを支えた。長野日大高校(長野市)から入学したが、故障がちで3年時から裏方に回った。練習や遠征のサポート、大会の参加申し込みなど多岐にわたる役割をこなし、「チームの力になれた」とやりがいをかみしめている。
ゴールで迎えた歓喜の瞬間
2日の往路は監督車の後部座席で選手のタイムを計りながら応援し、3日の復路は平塚中継所で8区の選手の付き添いを終えて大手町へ。ゴールで仲間と共に10区の選手を迎え、歓喜の輪に加わった。「ほっとした」のが率直な気持ち。2年時を除き、4年間で3度、箱根駅伝の優勝を経験。最終学年として迎えた今回、素直に快挙を喜んだ。
「箱根に出たい。その中でも上を目指したかった」と青学大に進学
長野市東部中学校で陸上を始め、1500メートルで全国中学大会に出場。長野日大高では新型コロナ禍で3年時のインターハイが中止となり、全国規模の大会で目立った成績は残せなかったが、「箱根駅伝に出たい。その中でも上を目指したかった」と青学大に進んだ。
「走りで貢献できない…」転向決断
だが故障を繰り返し、2年を終えても思うような記録は出せないまま。「チームが勝っても自分は貢献できていない。存在価値を見いだせずにくすぶっていた」。3年生になると学年で1人はマネジャーを選ぶことになっており、同期と話し合う中で「立場を変えてみるのもありかも」と転向を決意した。
4年で主務に 原晋監督とチームをつなぐ
練習時のタイム計測や給水、遠征のサポートなどをし、4年時には主務となった。授業の予定や選手の様子を見て練習の開始時間や強度の変更を原晋監督に提案し、取材依頼があれば日時や場所を調整。原監督が不在の時でもチームの状況が分かるよう密に連絡を取り、練習の様子を細かく伝えるなどしてきた。
主務の仕事は「ミスできない」
特に秋の駅伝シーズンに入ると、大会のエントリーや行動予定の作成など「ミスできない」仕事ばかり。箱根駅伝の前には選手の希望を聞いて中継所での付き添いや給水係を決め、沿道に細かくタイム計測係を配置。50人近い全部員に役割を当てはめ、「完成しないパズルをしているみたいだった」と振り返る。