お子様の集中力不足、姿勢の悪さ、体幹の弱さ、言葉の遅れなど、子育て中の悩みは尽きません。実は、これらの問題の背後に「原始反射」と呼ばれる赤ちゃんの頃の反射が残っていることが原因かもしれません。この記事では、原始反射の中でも特に重要な「モロー反射」について解説し、楽しく遊びながら改善する方法をご紹介します。
モロー反射とは?その影響と改善策
モロー反射とは、生まれたばかりの赤ちゃんが大きな音などに反応して両手を広げ、抱きつくような動作をする反射のことです。生存本能に関わる重要な反射ですが、通常は生後4ヶ月頃までに消失します。しかし、この反射が残っていると、様々な影響が現れる可能性があります。
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例えば、音や光、痛みなどの刺激に過敏になり、集中力が低下しやすくなります。授業中に周りの些細な動きに気を取られて先生の話を聞けなくなったり、新しい環境への適応が難しくなったりするケースも。常にストレスを感じやすく、不安や恐怖を感じやすい傾向があるため、新しいことに挑戦することを怖がることも。
では、モロー反射が残っている場合、どのように対処すれば良いのでしょうか?実は、遊びを通して改善することが可能です。赤ちゃんが行うモロー反射の動きを意識的に行うことで、反射を統合していくトレーニングになります。
遊びながらモロー反射を統合するトレーニング
具体的なトレーニング方法としては、仰向けに寝た状態から大の字に体を広げ、その後両手両足を抱え込むように小さく丸まる動作を繰り返す方法や、体育座りの姿勢で後ろに倒れたり戻ったりを繰り返す「ゆりかご」運動などが効果的です。(※ゆりかご運動は、慣れるまでは必ず大人が補助してください。)
これらの運動は、遊び感覚で楽しく行うことが重要です。モロー反射が残っているお子様は、体を広げる動作自体に恐怖を感じる場合もあるので、無理強いせず、お子様のペースに合わせて進めていきましょう。
著名な小児科医、山田先生(仮名)も「遊びを通じたトレーニングは、子どもにとって負担が少なく、自然に発達を促す効果があります。特にモロー反射のように、感覚過敏に繋がる反射の統合には、遊びを取り入れることが非常に重要です。」と述べています。
他の原始反射との関連性
モロー反射は、他の原始反射のベースとなっているため、モロー反射が統合されると、他の反射もドミノ倒しのように消失していくケースがよく見られます。
モロー反射と不安感の関係
モロー反射が残存している子どもは、環境の変化に敏感で、新しい環境では常に不安や恐怖を感じやすい傾向があります。暗闇を怖がったり、トイレやお風呂に一人で入れないのも、モロー反射の影響が考えられます。
具体的な事例と対応策
子ども運動教室を運営する松本哲先生は、教室に通う子どもたちの様子を観察する中で、モロー反射と情緒面の関係性について多くの知見を得ています。例えば、教室で泣いてしまう子どもには、母子分離不安によるものと、モロー反射による不安感からくるものがあるといいます。母子分離不安は、教室に慣れていくうちに解消されることが多いですが、モロー反射による不安感は、上記の遊びを取り入れたトレーニングによって改善が見られることが多いとのことです。
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まとめ:遊びで楽しく発達を促そう!
モロー反射は、子どもの発達に大きな影響を与える可能性があります。しかし、適切なトレーニングを行うことで、集中力や姿勢、情緒面など様々な改善が見込めます。遊びを通して楽しくモロー反射を統合し、お子様の健やかな成長をサポートしましょう。