地域によって差はあるが、一定エリア内に住んでいる人たちの地縁に基づいて作られた自治会・町内会がある。地域社会の維持・形成に向けた活動を目的にした集まりだが、そういった活動に対して、昔から住んでいるならまだしも、引っ越してきた新参者だと、そうした活動に参加するとなると抵抗を感じる人も少なくないだろう。
そんな、自治会・町内会に関する意識調査をAlbaLinkが行っており、その結果が公開されている。
それによると、自治会・町内会をやめたいと思ったことがある人は80.1%に上ることがわかった。自分の時間を潰して活動するわけで、面倒だと感じている人はかなり多いのだろう。
自治会・町内会の活動で感じるストレスとしては「役員になること」が39.2%でダントツトップ。「自治会費を払うこと」が18.9%、「清掃活動への参加」が13.6%と続いている。「結構やることが多く共働きだと時間を確保するのが大変」「行事に積極的に関わる必要がある」など、役員になると、活動だけでなく会合も多く、集金や回覧板などの作業もしなければならず、やりたくないというのが正直なところなのだろう。
自治会費についても、「半年ごとに5000円程度の出費は痛い」「自治会費を払っていることへの見返りがない」などの回答があり、行事などにも参加する機会も少ないのにお金を払うのが納得いかないと感じている人は多いようだ。
一方で、自治会・町内会の活動で続けてほしい取り組みとしては、「防犯パトロール」が25.6%でトップ。「祭りの運営」が24.7%、「地域の清掃」が13.6%と続いている。防犯パトロールと回答した人は「治安が心配」「子供がいるから」など、犯罪抑止や戸締まりなどの注意喚起を期待している。祭りの運営に対しては「子供たちが喜ぶ」という回答が多く、地域活動をしているというやりがいを感じている人も少なくないようだ。
自治会・町内会はある意味DXが必要
また、自治会・町内会で改善してほしいこととしては、「活動内容の見直し」が29.1%でトップ。「会計の透明性」が11.7%、「IT化の推進」が10.3%となっている。活動の見直しに対しては「習慣で実施するのではなく地域ニーズを踏まえて精査してほしい」「無駄な会合や活動を減らしてほしい」と言った回答が多く、時代が変わり地域活動も見直しが必要な時期なのかもしれない。
筆者の地域も自治会があるが、回覧板や集金方法は、そろそろ見直したほうが良いのではと感じる。もちろん、高齢者も多いのですべてをIT化してアナログを排除するというのは難しいかもしれないが、役員の負担を軽減していかないと、自治会に入る人も減って地域社会が分断される可能性もある。自治会・町内会もある意味DXが必要なのかもしれない。
出典:AlbaLink「自治会・町内会に関する意識調査」より
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