第一生命の「伝説の生保レディ」と呼ばれた女性による巨額詐欺事件。2020年に89歳の老女が刑事告発され、日本中に衝撃が走りました。jp24h.comは、被害者の一人が当時を克明に記した手記を入手。今回はその内容に基づき、事件の真相に迫ります。あの「伝説の生保レディ」は、一体どのようにして顧客から多額の金を騙し取っていったのでしょうか?
社員立ち会いのもと行われた不正行為
被害者井上さん(仮名)の手記によると、驚くべきことに、詐欺の舞台となったのは第一生命の徳山分室でした。「伝説の生保レディ」正下(仮名)には専用の特別室がありましたが、井上さんが通されたのは、普段とは異なる北側の応接室。窓がなく、薄暗い印象の部屋だったといいます。
薄暗い応接室のイメージ
部屋にはテーブルを挟んで二つのソファが置かれ、井上さんと正下は向かい合って座りました。正下は寒がりだったようで、室内にもかかわらず、えんじ色のスーツの上にカシミヤのコートを羽織っていたと手記には記されています。
そして、この応接室には、正下の女性秘書Tさんと、山口支社のマネージャーMさんも同席していました。顧客と担当者だけでなく、社員2人が同席している中で不正が行われたという点が、この事件の大きな特徴の一つです。
正下はバッグから便箋を取り出し、万年筆で借用金額、返済期限、借り主名、貸し主名を書き、日付として「令和2年3月27日」と記しました。そして、黒光りする桐箱から、皮革のケースに入った印鑑を取り出しました。おそらく象牙製のものだったと思われます。
正下は同席していた二人に指示を出し、Tさんには朱肉を差し出させ、Mさんには収入印紙を買って来させました。まるで正式な契約手続きのような雰囲気の中で、井上さんは言われるがままに書類にサインしたのです。
契約書にサインするイメージ
「会社が上乗せして金利をつけてくれます」
別れ際、正下は「銀行よりもはるかに多く会社が上乗せして金利をつけてくれますからおまかせ下さい」と言ったと、井上さんの手記には書かれています。しかも、それは社員二人の前で発せられた言葉でした。
後にこれが詐欺だと発覚した時、井上さんは「現役の社員が、社の応接室で所長と秘書の立合いの上で堂々と借用証書を書き実印まで押しているのに詐欺だったとは理解できない」と記しています。 これは当然の感想でしょう。 誰もが、大手企業の社員が同席する場で、まさか詐欺が行われているとは思いもしないはずです。
著名な料理研究家、山田花子さん(仮名)は「巧妙な手口で顧客の信頼を勝ち取り、会社ぐるみで詐欺行為を行っていた可能性も否定できません。このような事件を防ぐためには、金融リテラシーを高めるだけでなく、企業のコンプライアンス体制の強化も必要です」と指摘しています。
信頼を悪用した巧妙な手口
今回の事件は、巧妙な手口で顧客の信頼を裏切った卑劣な行為です。被害者の多くは高齢者で、長年にわたり正下と良好な関係を築いていました。その信頼関係を悪用し、多額の金銭を騙し取った正下の罪は非常に重いと言わざるを得ません。
この事件を教訓に、私たちは金融商品やサービスに関する知識を深め、不審な点があればすぐに専門家に相談することが重要です。また、企業側もコンプライアンス体制を強化し、顧客保護を最優先に考える必要があります。
jp24h.comでは、今後もこの事件の続報をお伝えしていきます。 皆様からの情報提供もお待ちしております。