横浜市営バス、運転手不足解消へ待遇改善!民間バス会社との攻防激化

横浜市営バスの運転手不足による減便が深刻化し、市民生活に大きな影響が出ています。この問題に対し、横浜市交通局は抜本的な待遇改善に乗り出し、民間バス会社との間で熾烈な人材獲得競争が繰り広げられています。

市営バスの現状:深刻な運転手不足と減便の影響

横浜駅西口のバス乗り場では、長蛇の列が日常的な光景となっています。特に昼下がりの92系統笹山団地中央行きは、1時間に1本しか運行されていないため、乗り遅れれば大きな痛手となることから、出発の30分以上前から並ぶ乗客も少なくありません。「買い物に出かけるのも一苦労」と高齢の女性はため息をつきます。

alt横浜駅西口のバス乗り場で長蛇の列を作る乗客alt横浜駅西口のバス乗り場で長蛇の列を作る乗客

2024年問題による時間外労働の上限規制強化や、ベテラン運転手の退職増加も重なり、市営バスは昨年4月と10月に計3回の減便を実施。1日あたり600本以上の運行が削減され、92系統も69本から44本に減らされました。この状況は市民生活に大きな影を落とし、市交通局は抜本的な対策を迫られています。

横浜市交通局の対策:大規模な待遇改善で人材確保を目指す

危機感を募らせた市交通局は「本気の人財確保大作戦」を展開。初任給を2万1千円以上引き上げる過去最大級のベースアップに加え、住宅補助の増額、大型2種免許所持者の年齢制限緩和、採用試験の簡素化など、様々な施策を打ち出しました。令和7年度には平均8%近いベアも実施され、山中竹春市長は「若年層の採用強化こそが市民の足を守る」と強調しています。

民間バス会社の反撃:待遇改善と働き方改革で対抗

しかし、市民の足を守る役割を担うのは市営バスだけではありません。民間バス会社も運転手不足に悩まされており、市交通局の攻勢に対抗するべく、独自の対策を講じています。

相鉄バスは平均本給を約2万6千円アップし、65歳以上のパートタイム運転手の時給も引き上げ。休憩室にカプセルベッドを設置するなど、労働環境の改善にも力を入れています。

神奈川中央交通は、未経験者向けの採用活動に注力。ハローワークと連携し、研修センターで大型バスの運転体験会を開催しています。大型免許がなくても参加でき、現役運転手との座談会や個別相談を通じて、バス運転手の仕事のリアルな姿を伝えることで、応募につなげようとしています。

自動運転技術への期待:未来の解決策となるか

運転手不足問題の抜本的な解決策として期待されているのが、自動運転技術です。現在、各自動車メーカーやIT企業が開発を進めており、実用化も近い将来に迫っています。自動運転技術が普及すれば、運転手不足の問題は解消され、より安全で効率的な運行が可能になるでしょう。 日本の交通の未来を担う技術として、今後の発展に注目が集まっています。

まとめ:運転手不足解消への道のりは険しいが、希望は見える

横浜市営バスの運転手不足問題は深刻であり、民間バス会社との人材獲得競争は激化しています。しかし、市交通局や民間バス会社による待遇改善や働き方改革、そして自動運転技術の進展など、明るい兆しも見えてきています。市民の足を守るため、関係各所の努力が続いています。