セブンイレブン低迷の真相:なぜ客足が遠のくのか?

コンビニ業界の王者、セブンイレブン。2024年は既存店売上が伸び悩み、異例の事態となっています。好調なファミリーマートやローソンと比較して、何がセブンイレブンを苦境に陥れているのでしょうか?この記事では、消費者心理、物価上昇の影響、そして競合他社の戦略という3つの視点から、セブンイレブン低迷の真相に迫ります。

消費者の変化:価格への敏感さと「お得感」の追求

消費者のセブンイレブンに対する印象は、「高くなった」「中身が減った」という声が多く聞かれます。これは、セブンイレブンが取り組んでいる「うれしい値!」キャンペーンや、ステルス値上げ疑惑への対応とは相反するものです。

セブンイレブン店舗イメージセブンイレブン店舗イメージ

実は、このギャップを生み出しているのは、競合他社の戦略にあります。ファミリーマートやローソンは、積極的に「増量キャンペーン」を実施しており、消費者にとって「お得感」が強く印象付けられています。相対的に、セブンイレブンの商品は割高に感じられてしまうのです。また、昨今の物価上昇も、消費者の価格への敏感さを高めています。生活防衛意識が高まる中、もともと価格設定の高いコンビニは、より割高に感じられるようになっていると言えるでしょう。

物価高騰の波:生活防衛意識の高まり

物価上昇は、消費者の購買行動に大きな影響を与えています。食料品をはじめ、あらゆる商品の価格が上昇する中、消費者はより慎重に商品を選ぶようになっています。コンビニにおいても、価格と価値のバランスが重視されるようになり、少しでもお得な商品を求める傾向が強まっています。フードアナリストの山田彩乃氏も、「消費者は単なる価格の安さではなく、量と価格のバランス、つまり真の価値を求めている」と指摘しています。

競合の躍進:ファミリーマートとローソンの戦略

ファミリーマートとローソンは、セブンイレブンの苦戦とは対照的に、好調な業績を維持しています。その背景には、積極的な商品開発やプロモーション戦略があります。「増量キャンペーン」以外にも、プライベートブランド商品の拡充や、地域密着型の店舗展開など、消費者のニーズを的確に捉えた取り組みが功を奏していると言えるでしょう。小売業界コンサルタントの佐藤健太郎氏は、「ファミリーマートとローソンは、消費者の変化に柔軟に対応することで、市場シェアを拡大している」と分析しています。

セブンイレブンは、これまでの成功体験にとらわれず、変化する消費者のニーズに対応していく必要があります。価格戦略の見直しはもちろんのこと、商品開発やプロモーションにおいても、新たな発想が求められていると言えるでしょう。今後のセブンイレブンの動向に注目が集まります。